心の治癒と魂の覚醒

        

 ラストタイマーの特徴


 ご存知の方も多いかと思いますが、アメリカのエンジニアで体外離脱ができたロバート・モンローという人がいました(後に体外離脱のテクニックを「ヘミシンク」という名称で広めています)。
 その彼の著作『魂の体外旅行』(ロバート・A・モンロー著 坂場順子訳 日本教文社)のなかに、ラストタイマー、すなわち、もう二度と地上に生まれ変わってはこない魂について書かれているところがありますので、紹介してみましょう。
 その前に、説明しておかなければならないのですが、これはモンローがいうところの「超意識」を見たときの様子のようです。モンローによれば、私たちは肉体を持ってこの地上に生きていると同時に、超意識は霊界に存在しているというのです。言い換えれば、この超意識とは、いわゆるハイヤーセルフのことだと言ってもよいかと思います。
 すなわち、地上で肉体を持っているラストタイマーの超意識(ハイヤーセルフ)を、彼が体外離脱して霊界に行っていたときに目撃した様子を報告しているのです。
 では、ラストタイマーについて、モンローはどう表現しているのでしょうか?
「みごとなコントロール下に置かれた、とてつもなく活気に満ちたパワーを持っているのだ。この活力の中には、人間が重要と考える価値観や理念のすべてが込められているのだった。・・・最も重要なことは、これらの価値観や理念はすべてコントロール下にあり、ことごとく協調し合い、融合し合って全体の中の部分を構成していることであった」
 少し難しい表現をしていますが、私なりに言い換えますと、人間としてあらゆる美徳を備えており、それらをしっかりとコントロールしている、感情に振り回されることがない、ということではないかと思います。また、全体のために自分の役割をエネルギッシュに発揮しているとも解釈できそうです。
 そして、こうしたラストタイマーたちが、そうした偉大な資質をどのようにして身に着けたかというと、地上で何回も経験を積んだからだというのです。
 やはり、人間として成長するには、生まれ変わりを繰り返す必要があるのでしょう。
 モンローが、そんな彼らに「行き先」を尋ねると、ほとんどが優しい笑みを浮かべて、ただ「故郷へ」と答えるのだといいます。
「故郷」とは、霊的世界の高い階層のことをさしているのでしょう。キリスト教的にいえば、「天国」ということになるのかもしれません。
 ところで、こうしたラストタイマーの特徴について、モンローは興味深いことを言っているのです。
「彼らはこの最終回では歴史を作るような役割を選ばない。そのような役割はもう前に演じてしまっているからだろう。最終回では彼らは目立たない存在だ。郵便局員、ただの農夫、船員、会計係、といった役割の人間になり、グループとしてまとまるのではなく、時間的にも空間的にもあちらこちらに静かに存在するのが認められる」
 ラストタイマーは、今生では平凡で目立たないというのです。もちろん、これは社会的な面においてであって、人間的には非凡な美徳を備えているのでしょう。いずれにしろ、社会的に目立つような偉業を成し遂げるといったことはなく、目立たない仕事や生活を送り、徒党を組んで何かをするよりは、個人的に静かな生活を送っているようです。
 これは少し意外に思われるかもしれません。通常、ラストタイマーというと、何かスケールの大きな聖人のような印象があるのですが、そうではないというのです。
 もちろん、これはあくまでもモンロー自身の主張であり、真実かどうかはわかりませんが、理由を私なりに考えてみました・
 おそらく、彼らには社会的な野心がないからではないかと思います。野心というものはたいていエゴを土台にしています。エゴがある限りラストタイマーにはなれないでしょう。彼らにはエゴがないのです。つまり、野心がないのです。野心がなければ、たいていの場合、社会的にパッとするような人生を送ることはないでしょう。なので、結果的に平凡で目立たない仕事や生活を送っているのではないでしょうか。
 ただ、あくまでも大切なことは心のあり方であって、社会的な位置づけではありません。平凡な生活を送ればよい、平凡な生活を送らなければラストタイマーになれない、ということではないわけです。ポイントはエゴがあるかどうかだと思います。


スポンサーサイト
地球卒業者の研究 | コメント:0 | トラックバック:0 |

『地球卒業者「18人」の過去生』の研究  最終回 まとめ


 さて、以上、エドガーケイシーのリーディングによって「もう地球に生まれ変わらなくてもいい可能性がある」と言われた18人のケースを考察してきました。その最終回として、まとめをしてみたいと思います。
 この本の著者バイオレット・シェリーも、最後の章で「地球卒業のために、どのような資質が大切なのか?」というまとめの考察をしていますので、それを紹介しながら考えていきたいと思います。

 まず、「地球卒業者」の職業や年齢や性別などは多岐に渡り、こうしたものは地球卒業にとって関係ないことがわかります。過去生もいろいろな場所に生まれていますが、アトランティス、エジプト、パレスティナの過去生を持った人が多いようです。その理由は定かではありませんが、どうも宗教や神秘的な教えをそこで学んだということが、ひとつの要素になっているようです。やはり、こうした知識や訓練といったものは、直接的かどうかはともかく、地球卒業にとって有益に作用するものと思われます。

 また、生まれた時代は、平和な時代よりも、動乱や分裂など波乱のある時代に生まれてきた傾向が見られます。その理由はおそらく、平和な時代よりも波乱があった方が、魂が鍛えられるからではないかと思われます。
 その意味では、現在の私たちはどうなのでしょうか? 戦後から昨年の東日本大震災までは、比較的平和な時代を過ごしてきたようにも思われます。しかし、東日本大震災以後、波乱が増えてきたように思います。そしてこの波乱は、これからますます増えてくることは間違いないでしょう。不穏な時代が私たちを待っているようにも思います。物質的には有り難くない時代ではありますが、魂を磨いて地球を卒業するには、絶好の時代が到来しつつあると言えるのかもしれません。

 さて、過去生はともかく、本質的に重要なことは、一連の過去生を通して、どのような資質を養ってきたかです。
 これについては、今までのケースで自明のことですが、もっとも大切なことは「無私の奉仕」です。「奉仕を通して自我(エゴ)を滅却すること」と言い換えてもよいかもしれません。ほとんどすべてのケースで、この無私の奉仕という共通した資質がありました。
 シェリー氏はこう述べています。
「この人たちは今生では外見上は全く異なっていましたが、人に奉仕するためには利己的興味を捨て去ることも辞さないという、共通点があります。奉仕、そして捨て去るものだけを得るという聖書的な戒めを説いているのは、この人々のリーディングだけではありません。たくさんのリーディングが人への奉仕が神への奉仕なのだと説いているのですが、この特殊グループのリーディングは一貫して、私たちがそれを実行に移し魂の資質としてしまうまでは、地球に戻ってくるか否かを自分で決定できる段階に至ることはないと言っているように思われるのです」

 その他の資質としては、個人によって多少のばらつきはあるものの、「忍耐」が重要なものとされていることがわかります。
「この人はもう少し忍耐を培うのがよい。というのも、利己主義がこの人の存在の一部なのではなく、忍耐の欠如が、人に対するというより自分に対する忍耐に欠けることが、その人の一部になっているからだ。主も言われたように、忍耐の中であなた方は魂に目覚めるのである」(①「巫女」)
 また、「寛容」であることもしばしば説かれています。
「あなたを侮辱するような人々に対してさえ寛容でいられる今の能力を増してくれるそれらのことを守り抜きなさい」(③「平和の創り手」)
「誤りを犯す者に対して穏やかに、優しく語りかけなさい。あなたは彼らの誘惑の何たるかも、彼らの理解の小ささがどれほどかも知らないからだ。人の行うあれこれの活動を裁いてはならない」(⑥「クリスチャン回教徒」)

 しかしシェリー氏は、もっとも大切な資質は「理想を貫く意志力」ではないかと言っています。「理想」とは、言うまでもなく霊的な理想のことを指しています。平たく言えば、高潔な行為や人間性を磨くことです。人格の完成をめざして、他に興味が移ったりぶれたりすることなく、ひたすら努力を続けていく「意志力」こそが、地球卒業のためにはもっとも重要であると言うのです。
「この人には、権威者側から咎められることなく利己的に振る舞える機会がたくさんあったが、自分自身の気高い理想のためにこの人は試練にうち勝ったのである。魂にとってこれは大きな勝利である」(⑫「建築家」)
「今ある意志力を使うことによって、二度と地球に生まれてくる必要がなくなるかもしれない人である。すべての栄光は神に帰することを知り、善と完全な賜物の与え主なる神が人の前に表されるような道の中に踏み留まりなさい」(⑤「弁護士」)
「意志力を通して、人は自分が物質界の中に表されているとみるものにどう働きかけるかによって、進歩も後退もするようになるのだ」(ファイル262番)
 シェリー氏は次のように言っています。
「(地球卒業のための)決定的な要因は、果たしてどこにあるのでしょうか。決定的な要因とは、私たち自身の意志力であるように思われます。これら18人の人々は、このような重大な岐路に辿り着いたのは、すべて自分の意志によるものなのだと言われました。同じ分岐点が私たちの誰をも待っています。そして、そこに辿り着くための同じ手段ー理想を守り通す意志力ーは誰の中にも存在しているのです」

 シェリー氏の「意志力」と、前回、私が述べた「向上心」とは、ほぼ同じものと言ってもよいのではないかと思います。考えれば当然なのですが、「意志力」にしても「向上心」にしても、地球卒業に限らず、何かを達成させるためには必要不可欠の要素であり、もっとも基本的なものです。目的に向かって集中し続けることなく、心が定まらずにあれこれ「つまみ食い」していて、いったい何が達成できるでしょうか。
 意志があれば向上心もあるでしょうし、向上心があれば意志もあるでしょう。意志と向上心さえあれば、そこからあらゆるすぐれた資質も生まれ育っていきます。霊的成長を志したのなら、常にそれを人生の最優先課題にして、倦まずたゆまず、地道に根気強く道を歩んでいく必要があるでしょう。霊的成長の道は、単なる趣味や好奇心を満足させるといったものと同列ではありません。「スピリチュアル・ブーム」などと言われたりしますが、「ブーム」ではダメなのです。
 しかしほとんどの人は、単なるブームであり、面白そうだなと、ちょっとかじっているだけなのかもしれません。他にもっと興味をそそるものが見つかったら、すぐそちらに走っていってしまうのです。
 言い換えれば、ひたすらひとつの目的に向かって努力し続けることが、それだけ難しいということなのかもしれません。だからあえてリーディングでも、「意志力」といったことが強調されなければならないのでしょう。ほとんどの人は、動力を持たない船のようなもので、ただ海流や風に流されているだけなのです。しかし、目的地に辿り着こうと思うならば、動力を持たなければなりません。意志力という、馬力のあるエンジンを搭載しなければならないのです。そして、羅針盤が示す目的地の方角に向かって、海流にも風にも負けず、走り続けなければならないのです。

地球卒業者の研究 | コメント:0 | トラックバック:0 |

『地球卒業者「18人」の過去生』の研究 ⑱-下


 18.征服者(53歳女性/主婦)
 前回に引き続き、最後のケースの後半をご紹介いたしましょう。今回は、この女性の過去生を検討してみます。
 リーディングによりますと、この女性はアトランティスに生まれ、利己的に生き、そしてこの大陸が水没するときに死んだと言います。しかし、彼女の魂は「聖なる力を利己的動機に使うことのあやまり」に気づきました(アトランティスでは、スピリチュアルな力を邪悪な目的のために使ったために、ある種の罰として沈没したという説があります)。
 次にエジプトで王族のひとりに生まれました。前世でエゴイスティックな生き方をしたので、それを反省した彼女の魂は、今度は「隠者」として祈りに徹した生活を送るようになりました。このとき「死者の書」を筆記する仕事をしていたようです。
 次にインドに生まれました。「丘陵地帯から支配するために到来した人々によって滅ぼされた谷の人々のひとり」であったといいます。そして、その征服者の独りと結婚し、旧約聖書に登場するアブラハムの母となりました。そしてリーディングはこう告げています。「当時の生涯でこの人は広範囲な場所を住み家とし、その地位、人助けの力、制する能力、導く能力において多くの進歩を遂げた」
 次はギリシャに生まれました。クセノフォンが東の国から帰還した頃の時代でした。その統治者から世話を受けていた女達の一人だったといいます。そこで多くの人に信仰と奉仕を差し出したことによって進歩したとされますが、やがて高い地位に就くと、称賛の的になりたいという思いから、踊りや酒宴に溺れて退歩しました。
 今生、彼女は、踊りや酒宴に浸っている人を見ると過去生の自分を無意識に思い出すのか、厳しく当たる傾向があったようで、リーディングは次のように戒めています。「(踊りや酒宴といったもので)自分を表現しようと求めている人たちに厳しく当たってはならない。彼らは自分のしていることがわからないだけだからである」
 最後の過去生は、フランスでした。チャールズⅡ世の宮廷に仕えていたといいます。しかし、かつての教訓から、彼女は同じ間違いをすることはありませんでした。すなわち、宮廷の華やかで贅沢な生活に溺れることなく、人を助けるような活動をしたのです。

 さて、以上のような過去生を通して、地球卒業のための要点を考察すると、どうなるでしょうか?
 まず、この人の過去生は、必ずしも進歩の連続ではなかったことがわかります。ときには享楽に耽って大きく退歩した人生もありました。ところが、このケースの大きな特徴は、退歩をもたらした失敗から教訓を学び、反省して、二度と同じ間違いをしないよう、しっかりと改めることができたことにあるように思われます。
 つまり、間違いをしてもしなくても、そのことは大きな問題ではないのかもしれません。問題は、そこから教訓を学ぶことができること、反省して生き方を改め、二度と同じあやまちをしないこと、要するに、成長していくこと、ここにポイントがあるように思います。
 間違いや失敗は、ある意味では必要なプロセスなのかもしれません。というのは、私たちは体験を通して「痛い目」に遭わないと、なかなか変われないものだからです。「こっぴどい目」に遭ってこそ、「もうこんなことはごめんだ」と思い、決然として同じことを繰り返すことはなくなります。ところが、痛みを伴わずに人から聞いたり本で読んだ教訓、あるいはちょっとくらいの痛みだと、そのときは「こんなことはするのはやめよう」と思いますが、誘惑などを受けたりすると、また同じことをして失敗してしまい、こんなことをいつまでも繰り返す傾向があります。それはすなわち、いつまでも成長しない状態が続くということです。
 それならば、たとえ大きな失敗をしてひどく痛い目に遭ったとしても、一度の失敗で生き方をきっぱりと変えた方が、時間が無駄になりません。結果的にはその方が早く成長するようにも思われます。
 もちろん、だからといって、わざと間違いや失敗をすることを勧めているわけではありませんが、いずれにしろこのケースから学べることは、「失敗から教訓を学んでしっかりと反省し生き方を改める」という、その力強さみたいなものではないかと思います。換言すれば、「向上心」と言えるかもしれません。
 強い向上心さえ持っていれば、怖いものはないと言えるでしょう。なぜなら、一時的にはどんな失敗をしても、それを通してどんどん成長していくことができるからです。しかし向上心に欠けていたら、それこそいつまでも進歩というものがありません。
 今まで地球卒業にとって大切な教訓をいろいろと見てきましたが、もっとも大切なことは、この「向上心」なのかもしれません。
 こうした向上心を通して、このケースがそうであったように、最後には献身的に人に尽くす生き方に目覚めていくのだと思います。このようにして、私たちは地球卒業への道を歩んでいくのではないでしょうか。


地球卒業者の研究 | コメント:2 | トラックバック:0 |

『地球卒業者「18人」の過去生』の研究 ⑱-上


 18.征服者(53歳女性/主婦)
『地球卒業者「18人」の過去生』の研究も、最後の18人目になりました。「征服者」というタイトルがつけられたこの18人目の人は、多くの示唆に富んでいるため、2回に分けてご紹介させていただきます。
 例によってリーディングは、占星学的な見地から、この女性の特徴について比較的詳細に述べています。ここで語られていることを読んだだけで、なぜこの女性が(自分で望まない限り)もはや地球に生まれてはこない、つまり地球を卒業することになったのか、非常に多くのヒントを得ることができます。長くなりますが、以下に引用してみます。
 
「この人は生まれつき、それが俗的な性質のものであれ、気高い性質のものであれ、強烈な感情に同調する人である。自分を責めたり、人の行動を責めたりする時を除いては、どのようなものの中にも美を見つけることのできる人である。自然界の色やハーモニーがそうであるように、常に波動が人間に何らかの関係を持っていることを感じている人である。
 地球上で過ごしてきた過去生について言えば、これらはその人の多彩な経験の中で大きく修正ないしは変化している。このため、そこには多彩な変化や、時にはその人にとって矛盾するような証拠さえ見られるかもしれない。それが、これまでその人が歩んできた荒削りな道を時々作ってきたのである。心的、肉体的な苦悶の中にあってさえ、その人は経験を自分の益になるように活かすことによって進歩を遂げてきた。その動機は利己的ではなく、行動は偏っておらず、思いも不安定ではなく、全てのことにわたって穏やかで控え目である。占星座相より来る衝動について見ればこのようになる。
 金星には、同胞に向けられる愛が見られる。同情的なそれではなく、相手が全体の一部としての自分の発達を計れるよう、相手の中の能力を尊ぶという愛である.
 天王星には、その人の視野を高い度数に上げることも落胆の泥沼にはまらせることもできる、神秘的、オカルト的性質の力が認められる。意志力の高揚、上を見上げ、一歩上に進むというのが、その人のこれまでの、生まれもっての表現であった。そのとおり、意志力はこの方向でその人を大きく動かしてきた。そして、どんなに落胆した時でも、魂がその火花であり一部である神が内に入り、そこに留まることを許す時には常に得られる、あの光がその人の元に降ったのである。
 木星には、目的の大きさ、自分を征服することもあれば、自分によって、理解を高めることによって、神の御名の元に勝利する能力によって征服できる力と権力が見られる。
 水星では、知的影響力が拡大されているが、これは精神体の活動を高めることも、利己的性質の活動に振り向けることもできるものである。自分を応用してゆく中で、この人は識別力を獲得し、持っている僅かなものを使うことによって、全体についての理解をより深めている」

 さて、以上のポイントを、私なりに箇条書きにしてみました。
1.どのようなものの中にも美を見つけることができる。
2.経験を自分の益になるよう活かすことができる。ただしその動機は利己的ではない。
3.意志力を発揮することができる。
4.自分を征服することができる。
5.識別力を獲得し全体についての理解を深めることができる。

 おおざっぱですが、以上の5つのポイントがこの人の特徴であり、それがそのまま地球卒業にとって必要とされる力、ないし資質であるように思われるのです。
                                  (つづく)

地球卒業者の研究 | コメント:0 | トラックバック:0 |

『地球卒業者「18人」の過去生』の研究 ⑰


 17.賢者(32歳男性/会計教師)
 今回のケースは、今まで考察してきたものと比較するとやや異色です。というのは、今までのように、愛や奉仕という、地球卒業に必要不可欠な資質が、それほど発揮されていないからです。この人は、抽象的な概念、とりわけ数に関する概念に没頭する研究者タイプであり、愛や奉仕といった言葉から感じられる情愛的な性格の持ち主ではないようなのです。
 リーディングは、占星術との関連において、次のように語っています。少し長くなりますが紹介してみます。
「水瓶座の影響力から来る才能を見ると、この人は特に航空機や船舶建造に関する数理計算に自分を応用することがこれまでにもできたし、今後もできるだろう。この人は水と風に関係する元素と関わるものであれば、抜きん出た建造者になれる。木星と海王星の影響力が研究願望と孤独願望をそそっているが、その人生は人間と関係する状況で満ちている。人と物の両方がその人の興味をそそっている。物々交換や販売にはほとんど関心がない。毎日の生活に必要なものを手に入れるため以外、金銭はその人にほとんど意味を成さないのである。この人の好き嫌いについて言うと、これらは明らかに矛盾し合っている。というのも、愛情あるいは愛がその人生を支配していながら、ある方向以外ほとんど愛情が表されていないからである。この人にとって友情は強い力を持っている。嫌う気持ちも強いが、この場合、あたかも嫌う相手かグループが存在しなかったかのような態度をとっている。この人は宿命論者ではないが、そのとる行動は彼の信念が宿命論であるかのように人に思わせるところがある。むしろ、全体愛がこのような状況を作り出しているのである。数学面での能力開発が究められてゆくに従い、その人は特に神秘主義、それも数の神秘主義に関する研究で、多くの進歩をものにするようになるだろう。
 これはその人にとって非常に価値あるものとなる。その人は占星学ばかりか、天文学やそれと関係する数の研究によって、自分をも人をも助け、このような真理を個人的に応用してゆく中で、数霊を使いこなす占星学者になるだろう。占星術を通してだけではなく、より深い意味での数霊学を通してである。これらが、その人の関心を寄せる要因だ」

 過去生としては、例によってエジプトに生まれています。このとき、「宇宙の星々に関係させて数論を研究した最初の人」であるとリーディングは語っています。おそらく、ある種の天文学の研究をしていたと思われます。
 次にエルサレム、ベツレヘムにやってきた、いわゆる「東方の三博士」のひとりだったと言います(彼らは同時に占星学者だったとされています)。そして、イエスが誕生したとき、幼子イエスに乳香をさしあげたのがこの人だったそうです。
 最後に、十字軍遠征時代のイギリスに生まれました。ここで彼は僧侶をしていました。現在、この人に孤独を好む傾向があるのも、過去生での研究生活や僧侶の経験から来ているようです。
 そして、リーディングは次のようにメッセージを与えています。
「今生では、星の研究、神秘な数や場所、状況についての研究がその人の得意とするところである。むしろ、それをキリストをとおして与えられている創造的エネルギーに向けて応用しなさい。そのように、数の中で、神秘な力の中で、物事の織り成す周期の中で、この人はキリストのお導きになる生活にそれを応用することにより、たくさんの人の物質的、精神的生活を助け導くことになろう」

 この人は、物質的な物事に対する関心が薄いという特徴がまず見てとれます。物質的なものに対する執着がないという点が、地球卒業には大切なことは理解できるところです。
 そして、数や占星術という、抽象的で調和的な事柄に意識を向けてきたわけです。古代ギリシアの哲人ピタゴラスは、覚醒するための教団を作りましたが、そこで学ばれていた科目は、数学・天文学・音楽でした。というのも、これらは人間の心に「調和」の概念を形成させるからです。調和の概念に意識を向けることが、地球卒業にとって大切になるのかもしれません。
 この人は、浮世離れした孤独な哲学者といった、ややクールな印象があるのですが、リーディングも述べているように、必ずしも愛が欠如していたわけではなかったようです。ただ、その愛は情愛というよりは、「博愛」に近いものだったようです。
 そして、自分がこれまで究めてきた数や神秘学的な知識を通して人々の助けとなるようにリーディングはアドバイスしているわけです。つまり、基本的にはやはり「奉仕」の大切さを訴えているわけですが、ポイントとなるのは、その人が持つ才能を活かすということなのでしょう。この人はこの人なりのやり方で愛を表現し、奉仕をしようとしているのだと思われます。自分の個性を活かしたやり方で献身すること、これが大切なのでしょう。
 
地球卒業者の研究 | コメント:0 | トラックバック:0 |
| ホーム |次のページ>>