FC2ブログ

心の治癒と魂の覚醒

        

グルジェフが説く「人間が生まれた目的」 

 例によってまずはご報告とお知らせから。
 今月7日と8日にイデア ライフ アカデミー哲学教室第9回「グルジェフ 人と思想3」の授業を行いました。グルジェフの修行法の本質に迫ると同時に、グルジェフとは何者だったのか、可能な限りせまったつもりです。参加者の一人から「この教室のおかげでグルジェフという人を知ることができて本当によかった」との声をいただきました。まさに、グルジェフから私たちは生きるヒントをたくさん学ぶことができます。ぜひダイジェスト版の動画をご覧になってみてください。
 動画はこちらから
 10月と11月の哲学教室は、二回に分けて「易経に学ぶ運命法則」というテーマで行います。『易経』は、いわゆる易占いの文献ですが、実は単なる占いではなく、宇宙の法則と合一して君子(覚者)になるための、ある種の宗教経典なのです。授業ではそこに光を当てて深い意味を説明していくつもりでいます。
 そして、グルジェフにしろ易経にしろ、それを実践レベルにまで落とし込もうとする授業が、瞑想教室です。哲学だけでは頭でっかちになってしまいます。瞑想することにより、地に足の着いた実践的な力が養えるのです。人間の成長にとってはこの両輪が必要なのです。瞑想教室もぜひよろしくお願い致します。
 参加ご希望の方は「斉藤啓一のホームページ」まで
 
 さて、本題に入ります。
 私が物心ついたときからずっといつも考え続けていることは、「人間が生まれた目的は何か?」ということです。
 最初、この疑問にしっくりとした回答を与えてくれたのが、古典的なスピリチュアリズムです。具体的には『霊の書』、『シルバーバーチの霊言』などの本であり、また神智学の思想です。こうした教えのエッセンスを簡潔に説明すれば、「人間は輪廻転生を繰り返しながら、過去のカルマを清算していき、立派な人間へと進化していく。そして十分に立派になると地上には生まれ変わらず、霊界でさらに成長のための修行をする。そのために生まれてきた」というものです。

 しかし、こうした教えは一見するとよく構築されているように思われるのですが、細かい点をつきつめていくと、やはり今ひとつ完全に信頼するには疑問が残ってくるのです。霊界や生まれ変わり、カルマの法則は本当に存在するのか? という疑問が生じてくるのです。
 その点についてグルジェフは、通常の人間は生まれ変わりは存在しない、と語っています。神智学によれば、人間は誰でもアストラル体(霊的なからだ)を持っていて、死んで肉体を離れるとアストラル体として霊界で生き続けると説いていますが、グルジェフは、アストラル体は覚醒の修行を熱心にすることで形成されるとして、そうしてアストラル体を形成させた者だけが死後も霊界で生き続け、そうした修行をしていないほとんどの人間は、肉体の死とともに消滅すると言っています。ちなみにグルジェフは、神智学をはじめとするスピリチュアリズムを「精神病者たちのワークショップだ」などと、かなり辛辣な批判をしています。

 グルジェフは、霊界だとか死後の生といった、地上の現実世界と遊離した領域に関する教えはほとんど説いていません。グルジェフの教えは、あくまでもこの現実世界における人間の心理的な変革に焦点を当てています。
 グルジェフによれば、人間が生まれた目的は、惑星のエネルギーを月に送るための媒体にするためであると言っています。月は、人間が生み出すさまざまな想念を”食う”ことで進化しているというのです。といっても、これだけの説明ではわからないと思いますし、私も正直なところ、その説を理解したとは言えないのですが、要するに、人間のために宇宙が創造されたのではなく、宇宙の創造進化を達成させるために人間が創造されたというのです。スピリチュアリズムにしろ神智学にしろ、あるいはキリスト教もそうですが、あくまでも人間が主人公であり、自然や宇宙は人間のための舞台のような位置づけをしているのですが、グルジェフは反対で、主人公は宇宙であり、その進化であって、人間はそのための、ひとつの歯車にすぎない存在だというのです。ですから、人間が天災や戦争で何十万人死のうと、月は残りの人々の想念を食って成長できるので、人類が全滅しない限り、問題はないというのです。

 グルジェフのこうした思想が事実だとすれば、「人間が生まれた目的は何か?」という疑問に対する回答は、私たちが期待しているようなものとはならないようです。たとえば、私の住んでいるところには田んぼがたくさんあり、この時期になると、オタマジャクシから成長して陸にあがった数多くのアマガエルを見かけるのですが、そのなかで、越冬して来年まで生きることができる個体は、ほんのわずかしかいません。具体的な数はわかりませんが、千匹に一匹いるかいないかでしょう。ほとんどのカエルたちは、他の生き物に捕食されて死んでしまいます。あとは、エサが食べられずに餓死したり、人間やクルマに踏みつけられて死んでしまうのです。
 そうなると、ほとんどのカエルたちにとって「生きる目的は何か?」ということを考えると、他の生き物に捕食されて生態系を保つことにある、となるでしょう。もし個々のカエルに、人間のような心があるとしたら、「生態系を維持する目的で捕食されるために生まれてきた」なんて言われたら、ものすごくショックで絶望的になってしまうでしょう。
 しかし、グルジェフの思想を拡大解釈すると、こういう結果になるのです。
 「カエルと人間は違う!」と反撥されるかもしれませんが、カエルの世界という小さな自然界がそうなっているのなら、人間という大きな自然界も、同じ原理が支配している可能性は十分にあるのではないでしょうか。
 すなわち、私たちは生態系を保つために大量に発生しているカエルのようなもので、宇宙という生態系を保つ目的で生まれてきたのです。スピリチュアルや神智学が言うような、個人の生きる意味といったもの、カルマの法則、霊的成長のための生まれ変わり、といったことなどは、存在しないのかもしれません。宇宙という巨大な生態系にとっては、人類そのものが絶滅しなければいいのであって、いちいち個人の生きる目的などといったものが存在すると考えるのは、人間の勝手な願望が投影された幻想にすぎないのかもしれません。
 さて、果たして真実はどうなのでしょうか? 私にもわかりません。
 私の探求はまだまだ続きます。

スポンサーサイト



霊界と生まれ変わりの真実 | コメント:2 | トラックバック:0 |
| ホーム |