心の治癒と魂の覚醒

        

 覚者かどうかを見分ける方法 ②


 ニセの「覚者」は、たいてい二つのタイプに分かれます。
 ひとつは、あきらかに詐欺を目的とし、自分でもそのことを自覚して「覚者」や「グル」を名乗っている人物です。こういう人は、公衆の面前のような表向きは非常に立派に振る舞い、その言葉も丁寧なのですが、密室のなかでは、同じ人とは思えない下卑た振る舞いや言葉使いをするものです。要するに、表と裏に落差があるのです。真の覚者であれば、表も裏もないはずです。裏の顔を見れば、すぐに化けの皮をはがすことができます。
 また、詐欺師というのは、要するに金を騙そうとするわけですから、さまざまな理屈をつけて金を巻き上げようとします。金がない人は、「金づる」、つまり信者を勧誘するように強要してきます。もちろん、その名目は、「人類を救うためにこの教えを広めるのだ。あなた方はそのために選ばれた特別な人なのだ」といったように、崇高な使命感のような感覚を煽って信者の勧誘をさせたり、献金させたりするわけです。真の覚者が大金を要求したり、信者を勧誘するように強要することは、まず考えられません。

 一方、詐欺師の自覚はなく、実際に詐欺師というわけではないが、自分を本当に覚者だと思っている人がいます。これは要するに、妄想を抱いているわけです。精神病理でいうと、パラノイアではないかと思います。
 パラノイアは、人並みの知性もあり、普段は常識もあるのに、ある特定の分野だけ支離滅裂で妄想を抱いてしまう病気です。たとえば、自分は仏陀の生まれ変わりだと信じたり、天皇家の血筋だと信じたり、会ったこともないタレントが私のことを恋しているとか、宇宙創世の謎を解明したといって膨大な論文を書き、それを名の知れた学者のもとに送りつけて自分をノーベル賞の候補に推薦して欲しいなどと言ったり、たまたま自分の論文と似た学説を唱えている学者がいると、スパイを使って自分の論文を盗んだのだなどと口走ったりします。こうした妄想以外では、まともな思考や生活をしているため、周囲の人は本気にしてしまうことも少なくありません。
 しかし、しょせんは妄想ですので、やはりどこかおかしいのです。ある妄想を抱いている人は、たいていの場合、誇大妄想か被害妄想、あるいはその両方の妄想を表すものです。
 ですから、自分は覚者だという人をよく観察して、誇大妄想あるいは被害妄想を抱いていないかチェックしてみるとすぐにわかります。

 たとえば、私が実際に会ったことのある自称「覚者」ですが、その男は、確かに悟りや覚醒や霊的な事柄に関しては広い知識を持っていました。そして、大変におしゃべりで、そうしたことを延々と話しまくるのです。余談ですが、霊的な事柄を延々としゃべり続ける人も要注意です。どこか病的なものを持っていることが多いです。おそらく真の覚者や霊的な人は、それほどおしゃべりとは思いません。
 その男はそのうち、「自分が住んでいる地域は、自分から放つオーラによって犯罪率が低くなる」などと言い出しました(実際には彼の住む家の近くで新聞に載るような凶悪な事件や事故が数件ほど起こりました)。これはあきらかに誇大妄想でしょう。
 また、精神世界で名の知れたある人物から、自分は呪いをかけられているなどと言っていました。真義はわかりませんが、私もその人物を知っており、とても呪いをかけるような人には見えません。おそらくこれは、この男の被害妄想だと思います。
 その他、自分のもとを去っていった弟子の悪口を、延々と繰り返し繰り返し語り続けたり(悪口を言うのはエゴです)、超能力は持っていないのかと尋ねられると、「むかしは持っていたが、すべて捨てた。偉大な覚者は、そのようなものには未練がないからすべて捨てるのだ」と言うのですが、「しかし、この能力はあるんだ」などといって、ダウジング(振り子占い)をしているのです。
 さらにこんなことがありました。私はこの男の話をテープに録音していたのですが、あるとき電話がかかってきて、「俺の声を吹き込んだテープを返せ」と言ってきました。もうあれは消して残っていないというと「信じられない。おまえの家の隅からすみまで探させろ」と言うのです。私が何かそのテープを悪用するとでも思ったのでしょうか?(これも被害妄想かもしれません)。私は家をかき回されては困るので断りました。そうしたら、「拡声器を持っておまえの家の前に行き、大声で怒鳴りつけてやるからな。そうしたら近所迷惑になって、おまえはその家に住めなくなるぞ」とまで言うのです。こうなると脅しです。いったい彼は、何を怖れてそこまで言わなければならないのか、まったく理解に苦しみました。
 このように、妄想で自分は覚者だと言っている人の言動を注意深く観察してみると、たいてい誇大妄想か被害妄想が見え隠れします。そうして、すぐに覚者ではないことがわかるはずです。
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コメント

恥ずかしながらクリシュナムルティは名前しか聞ありませんでした。
ところで、ラマナ・マハルシ、ニサルガダッタ・マハラジ、
エックハルト・トール、デヴィッド・R・ホーキンスなどは覚醒してるんでしょうか?
お分かりになる方いらっしゃればご意見お聞かせください。
2011-07-06 Wed 01:08 | URL | ワンネス [ 編集 ]
アメリカを代表する覚者として名声を博しているエックハルト・トール氏はある種の覚醒をしていると思われますが、覚醒にも段階があって大悟徹底にまではいたっていない、つまり霊格的に少し落ちるかと思います。
2011-07-07 Thu 12:45 | URL | 世界平和 [ 編集 ]
世界平和さん、ありがとうございます。

私見ですが、覚醒はエゴが消滅あるいは破壊できた状態だと認識しているんですが、
その達成程度と考えてよいのでしょうか?

覚醒の大悟徹底できたおもわれる人物は?
2011-07-07 Thu 18:10 | URL | ワンネス [ 編集 ]
真の覚者は、ラーマクリシュナ、ヴィヴェーカーナンダ、ヘラカンのババジ、五井昌久先生、植芝盛平先生などが、私の知る範囲での人物です。
2011-07-08 Fri 21:33 | URL | 世界平和 [ 編集 ]
 おはようございます、斉藤先生。そして初めまして、ワンネスさん、世界平和さん。

 みなさん、いろんな覚醒者をご存じなのですね。すごいです。ところで、みなさんはその覚者たちから、どのような事を学び、生き様に習い、実践しておられるのでしょうか?

 霊格や覚醒度で序列をつけるより、そちらの方が重要と思うのですが、どうでしょうか?
2011-07-09 Sat 05:33 | URL | ワタナベ [ 編集 ]
五井昌久先生は「人間は神の子であり、守護霊と守護神によって守られている。すべての苦しみは過去世から現在に至る不調和想念によるものであり、不調和想念はあらわれれば消えてゆく姿となるので、病気や貧乏、不幸や災難があらわれたら「消えてゆく姿」と観じ、「世界人類が平和でありますように」という神の光明想念の中にすべてを投げ入れて消してもらいなさい。そうすれば、不調和想念は消えて大調和した愛と光の平和世界ができるのだ」と説かれていますので、私は、五井先生の言葉を信じ「消えてゆく姿で世界平和の祈り」をいつも祈り続けています。
2011-07-09 Sat 06:06 | URL | 世界平和 [ 編集 ]
ワタナベさん、はじめまして
いつもコメントを拝見しています。
世界平和さんありがとうございます。

<霊格や覚醒度で序列をつけるより、そちらの方が重要と思うのですが、どうでしょうか?

おっしゃるとおりです。すいません、あまり意味のない質問だと分っていました。参考のためだけでした。

わたしは霊能力獲得や修行、神仏、信仰に興味はあまりないんです。
斉藤先生の最新記事の全托に近いです。
覚醒したくてどんなに頑張っても、実現できるかできないかは決まっているし、
どっちにしても死んだら覚醒する(思い出す)と思いますので・・
でも今世において覚醒したいですね。これもエゴかもしれません。

ご紹介の「世界人類が平和でありますように」は宗教的で嫌がる方もいると思いますが、
何も考えずに唱えてみれば、すばらしい真言と感じます。
2011-07-09 Sat 10:43 | URL | ワンネス [ 編集 ]
 なるほど、五井先生はカルマの浄化を積極的に「消えてゆくもの」と観想し、そのうえで、個人を離れた世界平和にまで昇華してるのですね。自分のためだけの祈りよりビッグだと思います。その祈りをいつも続けておられる世界平和さんの信念はすごいものです。感服しました。

 ワンネスさん、たしかに死後はみな仏といいますね(成仏)、今世において覚醒したいのがエゴかどうかは私はわかりません。ただ、覚醒してみないと、覚醒して何をするのか、世界のために何ができるのか、真の道が開けないのかもしれません。

 リョウナンダさんに紹介された著書で、ゲリー・ボーネル氏の本には、覚醒は「葛藤」を手放した状態であり、ジョークを聞かされて、オチが理解できた瞬間の心の状態ということらしいです。
2011-07-09 Sat 13:05 | URL | ワタナベ [ 編集 ]

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