どのような気持ちで仕事に取り組むべきか? ②2011-08-29 Mon 22:40
前回、仕事というものは、たいてい創造的でもなく、生きがいも喜びもあまりなく、むしろ辛いものだ。だから、仕事は「苦行」と考えて行ってみたらどうか。という話をしました。 もちろん、仕事の意義を「苦行」だけにしてしまうのは、正しいとは言えないでしょう。 第一、「苦行」というものは、「苦しんでやる」べきではないらしいのです。 楽しんでやるべきだというのです。逆説的ですが、苦行の意義は、苦しく感じるような行為を、楽しんで行えるように心を変えていくことにあるのです。もちろん、苦しみを感じても苦行の効果はありますが、あえてそれを楽しく行おうと努力することによって、苦行の効果はさらに高くなるということです。大切なのは、そうなるように「努力する」ということです。 したがって、仕事を苦行と見なすなら、苦しみながらやってはいけないのです。楽しみながらやらなければならないことになるのです。 もちろん、そうはいっても、簡単にはできないでしょう。実際に辛くて苦しいのに、それを楽しむなんて、なかなか難しいと思います。しかし、簡単にできるようなら修行とは言えないわけで、難しいことをあえてやること自体に、修行の意義があるのではないでしょうか。そして神は、私たち人間が、苦しみを楽しみに変えていくことを望んでおられるのではないかと思うのです。 神は、人間に試練を与えるとしても、与えているのは「試練」であって「苦しみ」ではないことに注目する必要があるかもしれません。確かに試練は苦しいでしょうが、それを苦しいと感じるのは人間です。極論を言えば、苦しいと感じなければ苦しいものではなくなるわけです。少なくても、必要以上に苦しむことは、克己的な努力で避けることができると思います。実際、私たちは、実体以上に「苦しいものだ」と勝手に思いこんで、自分で自分の首を絞めるように、わざわざ苦しい思いを強くさせているところが少なからずあるように思います。神は、私たちが試練を喜んで堪え忍び乗り越えていくことを望んでおられるのかもしれません。理想を言えば、ですが。 それでは、どうしたら、辛く苦しい仕事を楽しんでやれるようになるでしょうか? 前回、ほとんどの仕事は創造的ではないし生きがいもないと申し上げましたが、「まったくない」とまでは言い切れないと思います。実際、注意して仕事を見つめてみると、思ったよりも創造性を発揮できることがあったり、生きがいを感じたりできる余地があるものです。 これは本で読んだ話ですが、決まりきった応対だけの仕事で、退屈で仕方がなかった受付嬢が、人相占いの勉強を始めました。受付嬢は人と会うのが仕事ですから、よく顔を見ます。多少の応対だけでもだいたいの性格がわかりますから、それで人相と性格の関係について理解を深めていくことができました。そうなると受付の仕事が面白くなって、ついには人相占いの名人になったということです。 また、何らかの形で人に接する仕事というのは、それだけで徳を積むチャンスがあるということです。たとえば、笑顔で接することも、仏教では「和顔施」と呼ばれていて、徳を積む行為であるとされています。親切にしたり、誠実な対応をしてお客さんの心を喜ばせてあげれば、それは仕事以上に、善のカルマを積むことになるわけです。第一、人から喜んでもらえるということだけでも、嬉しいものだし、生きがいを感じるのではないでしょうか。 工場で黙々と製品だけを相手にする仕事をしていても、「少しでも作業能率をあげるための改善はできないか?」と考えてアイデアを出すこともできます。これは創造的な行為です。それ自体でも喜びや生きがいを感じられたりしますが、そのように積極的な改善提案を出すような社員は、必ず上司から注目され、いつか昇格などのチャンスがもらえる可能性もあります。また、そのような姿勢は他者の立派な手本となり、他者を高めることにもなります。つまり、そうして善のカルマを積むこともできるわけです。 そして、どのような仕事も、「神のためにやっているのだ」という思いで一生懸命にやれば、それはそのまま神を祝福する行為であり、神への祈りであり、神への捧げものであり、また、少し大袈裟かもしれませんが、「宗教儀式」をしているのと同じではないでしょうか。少なくても、心の通わない宗教儀式などをするより、神に奉仕する気持ちで仕事に打ち込んだ方が、よほど宗教的であり、神はお喜びになると思います。たとえ誰からも自分の仕事が認められず、感謝されることもなかったとしても、神が喜んでいて下さればいいと思い、そのことを喜びにするというのが、修行者というもの、信仰者というものではないかと思うのです。 スポンサーサイト
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コメント
不幸や不調和を解消して、幸福な個人生活と平和な人類社会を実現するためには、日常生活の中で「基本の祈り」を祈り続けていく道があります。
基本の祈り (不幸や不調和は)消えてよくなる 私が幸せでありますように みんなが幸せでありますように 神様ありがとうございます 聖者様ありがとうございます 基本の祈りを集約すると「神様」の祈念瞑想になります。 2011-08-30 Tue 14:09 | URL | 世界平和 [ 編集 ]
斉藤啓一です。世界平和さん、コメントありがとうございました。
この祈りの文言は、すばらしいですね。 このような祈りを常に唱えながら生きることが、結局は宗教の基本であり、同時に奥義なのだと思います。 貴重な示唆をいただき、お礼申し上げます。 2011-08-30 Tue 14:56 | URL | [ 編集 ]
斉藤先生ありがとうございます。私はこの祈り言葉をインターネットの掲示板等を通して発表しているのですが、共感して下さったのは斉藤先生が初めての方です。
この祈りは、五井昌久先生の「消えてゆく姿で世界平和の祈り」の影響を強く受けています。 私は五井先生に感謝しています。 2011-08-30 Tue 17:00 | URL | 世界平和 [ 編集 ]
斉藤啓一です。世界平和さん、引き続きコメントありがとうございます。
このブログでは、いろいろと小難しい覚醒の理論や修行法について考察しておりますが、そのようなことがめんどうな人は、とにかくひたすら「消えていく姿で世界平和の祈り」を行じていけば、解脱すると思います。あれこれ修行法だの何だのとつまみ食いして中途半端に手を出すよりも、とにかくひたすらこの祈りだけに24時間すべてを、自分の全存在と人生のすべてを捧げる生き方を貫き通せば、覚醒し解脱すると思います。 2011-08-30 Tue 17:26 | URL | [ 編集 ]
五井昌久先生は老子、イエス・キリスト、釈尊と同じレベルの覚者・聖者であり、ラーマクリシュナ、ヴィヴェーカーナンダ、ヘラカンのババジと同じ境地であると思います。
五井先生は「空即神」の想念停止の修行を通して霊覚者となりましたが、「空即神」を分かり易く「消えてゆく姿で世界へ和の祈り」という修行法に要約されました。 世界平和の祈りは 世界人類が平和でありますように 日本が平和でありますように 私達の天命が完うされますように 守護霊様ありがとうございます 守護神様ありがとうございます の5行から成っていますが、この祈りを祈り続けていけば、今生で覚醒し解脱する人もいれば、2生、3生・・・幾生もかけて成就する人もいるということです。時間の早い遅いはありますが必ず覚醒し解脱できる一本道と申せましょう。 基本の祈りは「世界平和」を「みんなの幸せ」へ、「守護霊守護神」を「神様聖者」に翻訳し、「私の幸せ」を最優先し、「消えてゆく姿」を「消えてよくなる」として祈りに組み込んだものです。これは私の祈り易い祈りなので、各人は世界平和の祈りや基本の祈りを参考にして自分が最も祈り易い祈りを見つけて祈り続けることが肝要だと思います。 咄嗟の時の祈りや瞑想には「五井先生」や「神様」を唱えるのがよいと思いますので、「神様」の祈念瞑想を祈りの集約として掲げてみました。 2011-08-30 Tue 20:16 | URL | 世界平和 [ 編集 ]
世界人類が平和でありますように
日本が平和でありますように 私達の天命が完うされますように 守護霊様ありがとうございます 守護神様ありがとうございます これが五井先生の世界平和の祈りですが、私の基本の祈りは、「消えてゆく姿の教え」を「消えてよくなる」として祈りの中に組み入れ、「私の幸せ」を最優先し、「世界人類と日本の平和」を「みんなの幸せ」へと翻訳し、「守護霊様、守護神様」を「神様、聖者様」と置き換えてできたものです。 世界平和の祈りや基本の祈りを参考にして頂いて、各人が最も祈り易い祈りを祈り続けていくことが肝要かと思います。 2011-08-30 Tue 20:33 | URL | 世界平和 [ 編集 ]
「五井昌久先生について」を投稿したら画面に反映されなかったので「五井先生の世界平和の祈りについて」という投稿をしてしまいました。内容に重複する点があるのはそのためです。くどくどしくなって済みませんでした。
2011-08-30 Tue 20:40 | URL | 世界平和 [ 編集 ]
たしかに、どんな仕事の中にも創造性を発揮することは可能ですよね。
やる気の問題だけですかね。 今、震災の被災地に住んでいるので、災害ボランティアにたまに参加しています。 泥出しとか、地味な作業ですが、終わったあとは爽快感みたいなものを感じます。 これが仕事だったら、かったるいだけの苦行ですが 多分、義務感とかなしでやっているから楽しいんでしようね。 仕事も、そんな姿勢で取り組めたらと思います。 2011-08-31 Wed 15:27 | URL | 若ハゲ王子 [ 編集 ]
斉藤啓一です。若ハゲ王子さん、コメントありがとうございました。参考にしていただけたようでよかったです。
災害ボランティア、すばらしいですね。 ボランティアの爽快感は、人に奉仕するという魂からのものであると思います。ならば、神に奉仕する気持ちで仕事をしても、同じような爽快感が味わえるかもしれませんね。 これからも、がんばってください。 2011-08-31 Wed 16:01 | URL | [ 編集 ]
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