心の治癒と魂の覚醒

        

 情熱


 何をするにしても、もっとも大切なのは情熱だ。
 情熱がなければ何も成就できない。覚醒の道も同じだ。情熱がある者だけが覚醒に至る。今その情熱が何に向けられていようと、たとえ煩悩に向けられていようと、情熱がある者こそが、もっとも覚醒に近い。
 惚れた男のために身も心も捧げ、家出までして駆け落ちをする女の方が、ぼんやりと祈りや修行に励む女よりも覚醒に近い。常識的な宗教者は、「そのような色情の煩悩にとらわれていては解脱など得られない。神からはほど遠い」というかもしれない。
 だが、そうだろうか。あとは「男」を「神」に差し替えるだけだ。彼女は惚れた神に身も心も捧げ、神のもとに行ってひとつになるために、すべてを投げ捨てて修行に励むだろう。
 女につきまとうストーカーも同じだ。女の愛をつかみとるまで決してあきらめない。女が帰るのを、自宅前で何時間も立ち続けて待っている。雨が降ろうと、炎天下であろうと。それは何という情熱と忍耐強さだろう。あとは、「女」を「神」に差し替えるだけだ。

 もちろん、それは容易になされることではないだろう。しかし、情熱のない者が情熱を持つよりは、はるかに容易である。
 情熱のない者が情熱を持つことは、まったく容易ではない。情熱を持とうという情熱があればまだいいが、そもそも情熱を持とうとさえ思わない。せいぜい「情熱があればいいな~」と、うすボンヤリと憧れるだけである。その程度の情熱で、いったい何が為しえるというのだろう。
 水に溺れかけている者は、「泳げないから死ぬしかないな~」などと、のんきに構えてはいない。必死になって手足をバタバタさせて助かろうとするだろう。それもある種の情熱だ。覚醒に至るには、そのくらいの必死な情熱が必要ではないだろうか。
 ただし、こういうネガティブな情熱よりは、前向きに追い求める情熱の方がよい。
 イエスは「求めよ、さらば与えられん。(天国の門を)叩け、さすれば開かれん」と言った。天国の門は、2、3回叩いたくらいで開かれるようなものではない。ありったけの力で拳を打ちつけ、何千回、何万回も叩き続けた末に、ようやく門番が根負けして開けてくれるのだ。結局人生というものは、障害と自分との根気勝負ではないだろうか。どちらが先に根負けするかだ。一時的な興奮ではない、持続された情熱、忍耐に裏打ちされた情熱こそが、求められるのだ。
 自分に気があるのかないのかはっきりしない男に、女は心を引かれることはないだろう。ある時は自分に好意を寄せて近づいてきたかと思うと、ある時は関心なさそうに別の方を向いている。そんな態度がはっきりしない男に、女は興味を示すことはない。ひたすら自分だけを見つめ続けてくれる男、ひたすら自分の愛を求め続けてくれる男、ひたすら自分に愛を捧げ尽くしてくれる男、そんな情熱的な男にだけ、女は心を引かれ、その男に愛で報いたいと思うだろう。
 神も同じではないだろうか。気まぐれで愛したり愛さなかったりするのではなく、全身全霊でひたすら愛を捧げ尽くしてくれる者にこそ、神もまた、愛で報いてあげようと思うのではないだろうか。
 情熱! 情熱! 情熱!
 情熱こそがすべてだ。
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修行の基本的な姿勢 | コメント:4 | トラックバック:0 |
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コメント

オクです。バクティーヨーガでは恥の感覚こそ、最も低い霊性レベルであり、恥の感覚こそが神への献身の道を遠ざけると言われるようです(笑) 迷子になった幼子が母親を必死で探し求めるように、神を森羅万象の中から無垢に探し求めることを躊躇する必要がどこにあるのでしょう。しかし人に迷惑をかけてはいけないとは思いますが、だからプライドをかなぐり捨てでも神を求めるということかもしれませんです(笑)
2011-09-05 Mon 17:43 | URL | oku [ 編集 ]
斉藤啓一です。オクさん、コメントありがとうございます。
「恥の感覚が神への献身の道を遠ざける」というのははじめて聞きました。確かに、日本人など、「恥ずかしい生き方をしない」ということがあるかと思いますが、恥ずかしい生き方はいけないのですね。
ただ、この場合の恥というのは、人間として恥じという意味で、プライドのことではありませんが。おっしゃるように、世間的なプライドなんか捨てても神を求めることが大切なのでしょうね。
2011-09-05 Mon 19:42 | URL | [ 編集 ]
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2011-09-05 Mon 23:32 | | [ 編集 ]
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2011-09-07 Wed 19:05 | | [ 編集 ]

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