心の治癒と魂の覚醒

        

 推薦図書 『ブッダのことば』 中村元訳 岩波文庫

 推薦図書 『ブッダのことば』 中村元訳 岩波文庫
     『ブッダの 真理のことば/感興のことば』 中村元訳 岩波文庫


 今回は、姉妹編ともいうべき2冊の本を同時に推薦させていただきます。
『ブッダのことば』と『ブッダの 真理のことば/感興のことば』です。前者は「スッタニパータ(経集)」、後者は「ダンマパダ(法句経)」と呼ばれる経典の訳です(現在、NHKでこの経典に基づく「ブッダの真理のことば」という番組が放送されています)。
 いわゆる経典やお経というものは世の中にたくさんあり、「法華経」や「般若心経」などが有名ですが、こうした経典のほとんどは、釈迦の死後数百年たってから、さまざまな人によって創作されたものです。したがって、それらは必ずしも釈迦の教説をそのまま伝えたものとは限りません。
 釈迦は、自ら書を残しませんでした。釈迦の教説は、弟子たちの記憶をもとに文書化されたものが、今日伝わっているだけです。そのうち、もっとも古いものが(つまり、もっとも釈迦の教説を忠実に表現していると考えられるものが)、「スッタニパータ」であり、「ダンマパダ」なのです。
 これらは、釈迦の教説が詩の形をもって語られており、難解な仏教理論といったものはまったくありません(それは後の学者が勝手に作ったものです)。非常にシンプルで素朴な、それでいて含蓄の深い言葉がたくさん並べられています。これを見る限り、釈迦は素朴な言葉で弟子達に教えを説いていたように思われます。
 たとえば、「慈しみ」と題された部分には、次のような言葉が語られています。

 究極の理想に通じた人が、この平安の境地に達してなすべきことは、次のとおりである。
 能力あり、直く、正しく、ことばやさしく、柔和で、思い上がることのない者であらねばならぬ。
 足ることを知り、わずかの食物で暮らし、雑務少なく、生活もまた簡素であり、諸々の感官が静まり、聡明で、高ぶることなく、諸々のひとの家で貪ることがない。
 他の識者の非難を受けるような下劣な行いを、決してしてはならない。一切の生きとし生けるものは、幸福であれ、安穏であれ、安楽であれ。
 ……
 何びとも他人を欺いてはならない。たといどこにあっても他人を軽んじてはならない。悩まそうとして怒りの想いをいだいて互いに他人に苦痛を与えることを望んではならない。

 このような感じの文章が綴られています。
 この本は、覚醒の道を歩むための求道の姿勢を保ち、励ましを得たり、襟を正したりするために、毎日少しずつ読むのがいいと思います。
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コメント

妄執の消滅を観ずることと慈悲のこころを養うことであると思います。
2011-09-20 Tue 11:11 | URL | 世界平和 [ 編集 ]
妄執の消滅を観ずるには「消えてよくなる」という言葉が、慈悲のこころを養うためには「みんなが幸せでありますように」という言葉が役に立つと思います。
2011-09-20 Tue 14:41 | URL | 世界平和 [ 編集 ]
斉藤啓一です。世界平和さん、「ブッダの言葉」を読む上でのヒントをありがとうございました。
2011-09-21 Wed 14:24 | URL | [ 編集 ]
とあるblogで法句経を勧めていたこともあり、まず『ブッダの 真理のことば/感興のことば』を買いました。
私の仏教への知識は大部分が仏教伝道協会の「仏教聖典」によるものしかないので少し勉強しようと思います。
(ただ、「仏教聖典」だけでも大変優れた本だとは思いますけど)

余談ですけど、書体とか古いなと思ったら1刷は1978年なのですね。これも最近買った塚本虎二訳「新約聖書福音書」は1刷がなんと1963年で、良質なロングセラーを供給してくれる岩波さんは有難いものですね。
2011-09-25 Sun 21:48 | URL | nakatsu [ 編集 ]
斉藤啓一です。nakatsuさん、コメントありがとうございました。
はい。岩波文庫は、安価でこうした名著を絶版にせずいつまでも残してくれているので、実にありがたいです。「ブッダの言葉」は、私は今から30年近く前に岩波文庫で読んだのですよ。
2011-09-26 Mon 08:31 | URL | [ 編集 ]

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