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心の治癒と魂の覚醒

        

図書紹介 『奇跡の脳』 ジル・ボルト・テイラー著

図書紹介『奇跡の脳』ジル・ボルト・テイラー著 竹内薫訳 新潮社 2009年

 本書は、女性脳科学者が脳卒中となって左脳が麻痺し、回復するまでの体験が綴られたものです。左脳が麻痺したことで右脳が活性化したのですが、そのときに悟りの体験、宇宙との合一体験を経験したのです。覚醒をめざす私たちの参考になるかと考え、今回、ご紹介させていただこうと思いました。必読書というほどではありませんが、興味をそそる内容なので、時間があれば読んでみるとよいのではないかと思います。
 まずは、この本の帯に書かれてある文章を紹介してみましょう。

表)「脳卒中から再生までの8年間-脳の可能性と神秘を描いた全米50万部の大ベストセラー!」
裏)「統合失調症の兄を持った「わたし」は、小さい頃から脳に興味を抱く。同じものを見て、どうしておにいちゃんとわたしは反応が違うの?
 努力の末に脳科学の専門家となり、ハーバードの第一線で活躍するわたしは、誰よりも脳について知っているはず、だった-。
 1996年のある日、37歳で脳卒中に襲われ、生活は一変する。左脳の機能が崩壊し、言葉や身体感覚だけでなく、世界の受け止め方までも変わったのだ。
 体力の補強、言語機能を脅かす手術、8年間に及んだリハビリ。
そこでわたしが得たものとは、何だったのか。」

次に、このブログと関係のある、覚醒的な体験について語った箇所を紹介してみます。

「左脳の言語中枢が徐々に静かになるにつれて、わたしは人生の思い出から切り離され、神の恵みのような感覚に浸り、心がなごんでいきました。高度な認知能力と過去の人生から切り離されたことによって、意識は悟りの感覚、あるいは宇宙と融合して「ひとつになる」ところまで高まっていきました。むりやりとはいえ、家路をたどるような感じで、心地よいのです。
 この時点で、わたしは自分を囲んでいる三次元の現実感覚を失っていました。からだは浴室の壁で支えられていましたが、どこで自分が始まって終わっているのか、というからだの境界すらはっきりわからない、なんとも奇妙な感覚、からだが、個体ではなくて流体であるかのような感じ。まわりの空間や空気の流れに溶け込んでしまい、もう、からだと他のものの区別がつかない、認識しようとする頭と、指を思うように動かす力との関係がずれていくのを感じつつ、からだの固まりはずっしりと重くなり、まるでエネルギーが切れたかのようでした。(p27)」
 
「解放感と変容する感じに包まれて、意識の中心はシータ村にいるかのようです。仏教徒なら、涅槃(ニルヴァーナ)の境地に入ったと言うのでしょう。
 左脳の分析的な判断力がなくなっていますから、わたしは穏やかで、守られている感じで、祝福されて、幸せで、そして全知であるかのような感覚の虜になってしまいました。(p40)」

 他にも、覚醒修行をする上でヒントになる記述がたくさん見られます。
 この本を読むと、覚醒と右脳というのは、非常に密接な関係にあることがわかります。もちろん、覚醒という意識状態は右脳だけですべて説明できるとは思いませんが、右脳を活性化することが覚醒を促すことは、おそらく間違いないようです。
 参考になさってみるとよろしいかと思います。

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推薦図書(覚醒編) | コメント:6 | トラックバック:0 |
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コメント

 こんにちは、先生。たしかに右脳の活性化は重要かもしれません。言葉を追っているより、それに基づいたイメージ画像を思い描いたほうが、スムーズに自己変革できると思いますし、実際そうしています。

 別館の過去ブロを読ませていただきましたが、私の場合はそのときそのときで好きな事に没頭してます。なんでもそつなくこなす事に喜びを得るよりも、ひとつひとつ、納得できるまで身につけて、次の分野に興味を広げて「万能な神」に少しでも近づいていくような充実感を味わいます。油絵をやっていたことがありますが、それも今では想像力開発に存分に役立っております。現在はヨガや神道の修行を取り入れつつも、武道の探求にシフトしてきてます。「道」に終わりはないので、倦怠期のようなものはありません。子供心でしょうか・・・。そんな感じです。
2012-03-11 Sun 09:38 | URL | ワタナベ [ 編集 ]
斉藤啓一です。ワタナベさん、コメントありがとうございました。
右脳イコールイメージで、イメージが大切なわけですね。
それと、HPのエッセイですが、なるほど、段階を経て興味をつないでいくわけですね。それと、武道はいいですね。霊的修行の意識で武道を行うことは、武道そのものが霊的修行になると思います。実際、合気道の開祖植芝師は合気道で覚醒してしまったようです。
2012-03-11 Sun 10:55 | URL | [ 編集 ]
「奇跡の脳」私も印象的に読みました。
左脳の機能がいかに人間生活の苦悩を
つくりだしているかの証明になっていると感じると
同時に、
著者の困難な状況に対して少しづつでは
ありながら粘り強く回復に向けて歩み続けて
いった姿勢には感銘をうけました。
この姿勢こそ斉藤先生のおっしゃる覚醒への道の
ようにも思えます。
2012-03-12 Mon 19:29 | URL | SUZUKI [ 編集 ]
斉藤啓一です。SUZUKIさん、コメントありがとうございました。
はい、確かに、この著者の復帰にかける粘り強い情熱もまた、本書から学ぶことができますね。すごいと思います。この姿勢、私たちも見習う必要がありますね。
2012-03-12 Mon 20:57 | URL | [ 編集 ]
ジルさんは左脳が回復してヨカッタですね。

私も戻りたいな~ 。。
2012-04-17 Tue 11:48 | URL | めぐ [ 編集 ]
斉藤啓一です。めぐさん、コメントありがとうございました。
「私も戻りたいな~」ということは、めぐさんも左脳の回復を目指されておられるのでしょうか? むかしは脳は修復されないと思われていましたが、今はかなりの修復機能があることがわかってきたようです。めぐさんの左脳の回復が促進されるように祈っています。
2012-04-18 Wed 08:18 | URL | [ 編集 ]

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