『地球卒業者「18人」の過去生』の研究 ⑱-下2012-04-09 Mon 09:58
18.征服者(53歳女性/主婦) 前回に引き続き、最後のケースの後半をご紹介いたしましょう。今回は、この女性の過去生を検討してみます。 リーディングによりますと、この女性はアトランティスに生まれ、利己的に生き、そしてこの大陸が水没するときに死んだと言います。しかし、彼女の魂は「聖なる力を利己的動機に使うことのあやまり」に気づきました(アトランティスでは、スピリチュアルな力を邪悪な目的のために使ったために、ある種の罰として沈没したという説があります)。 次にエジプトで王族のひとりに生まれました。前世でエゴイスティックな生き方をしたので、それを反省した彼女の魂は、今度は「隠者」として祈りに徹した生活を送るようになりました。このとき「死者の書」を筆記する仕事をしていたようです。 次にインドに生まれました。「丘陵地帯から支配するために到来した人々によって滅ぼされた谷の人々のひとり」であったといいます。そして、その征服者の独りと結婚し、旧約聖書に登場するアブラハムの母となりました。そしてリーディングはこう告げています。「当時の生涯でこの人は広範囲な場所を住み家とし、その地位、人助けの力、制する能力、導く能力において多くの進歩を遂げた」 次はギリシャに生まれました。クセノフォンが東の国から帰還した頃の時代でした。その統治者から世話を受けていた女達の一人だったといいます。そこで多くの人に信仰と奉仕を差し出したことによって進歩したとされますが、やがて高い地位に就くと、称賛の的になりたいという思いから、踊りや酒宴に溺れて退歩しました。 今生、彼女は、踊りや酒宴に浸っている人を見ると過去生の自分を無意識に思い出すのか、厳しく当たる傾向があったようで、リーディングは次のように戒めています。「(踊りや酒宴といったもので)自分を表現しようと求めている人たちに厳しく当たってはならない。彼らは自分のしていることがわからないだけだからである」 最後の過去生は、フランスでした。チャールズⅡ世の宮廷に仕えていたといいます。しかし、かつての教訓から、彼女は同じ間違いをすることはありませんでした。すなわち、宮廷の華やかで贅沢な生活に溺れることなく、人を助けるような活動をしたのです。 さて、以上のような過去生を通して、地球卒業のための要点を考察すると、どうなるでしょうか? まず、この人の過去生は、必ずしも進歩の連続ではなかったことがわかります。ときには享楽に耽って大きく退歩した人生もありました。ところが、このケースの大きな特徴は、退歩をもたらした失敗から教訓を学び、反省して、二度と同じ間違いをしないよう、しっかりと改めることができたことにあるように思われます。 つまり、間違いをしてもしなくても、そのことは大きな問題ではないのかもしれません。問題は、そこから教訓を学ぶことができること、反省して生き方を改め、二度と同じあやまちをしないこと、要するに、成長していくこと、ここにポイントがあるように思います。 間違いや失敗は、ある意味では必要なプロセスなのかもしれません。というのは、私たちは体験を通して「痛い目」に遭わないと、なかなか変われないものだからです。「こっぴどい目」に遭ってこそ、「もうこんなことはごめんだ」と思い、決然として同じことを繰り返すことはなくなります。ところが、痛みを伴わずに人から聞いたり本で読んだ教訓、あるいはちょっとくらいの痛みだと、そのときは「こんなことはするのはやめよう」と思いますが、誘惑などを受けたりすると、また同じことをして失敗してしまい、こんなことをいつまでも繰り返す傾向があります。それはすなわち、いつまでも成長しない状態が続くということです。 それならば、たとえ大きな失敗をしてひどく痛い目に遭ったとしても、一度の失敗で生き方をきっぱりと変えた方が、時間が無駄になりません。結果的にはその方が早く成長するようにも思われます。 もちろん、だからといって、わざと間違いや失敗をすることを勧めているわけではありませんが、いずれにしろこのケースから学べることは、「失敗から教訓を学んでしっかりと反省し生き方を改める」という、その力強さみたいなものではないかと思います。換言すれば、「向上心」と言えるかもしれません。 強い向上心さえ持っていれば、怖いものはないと言えるでしょう。なぜなら、一時的にはどんな失敗をしても、それを通してどんどん成長していくことができるからです。しかし向上心に欠けていたら、それこそいつまでも進歩というものがありません。 今まで地球卒業にとって大切な教訓をいろいろと見てきましたが、もっとも大切なことは、この「向上心」なのかもしれません。 こうした向上心を通して、このケースがそうであったように、最後には献身的に人に尽くす生き方に目覚めていくのだと思います。このようにして、私たちは地球卒業への道を歩んでいくのではないでしょうか。 スポンサーサイト
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コメント
同感です。向上心の強さがあるかないかは大きいと思います。テレビ番組でも見る気楽さで求道する人は、番組が終わると努力もそこまでですから。
2012-04-10 Tue 20:01 | URL | ワタナベ [ 編集 ]
斉藤啓一です。ワタナベさん、コメントありがとうございました。
はい。確かに向上心こそが、継続的な努力をしていくうえで大切であると思います。向上心から、あらゆるよきものが生まれてくると思います。 ただ、向上心そのものは、子供時代からの資質によるところが大きいかもしれませんね。 2012-04-10 Tue 22:21 | URL | [ 編集 ]
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