魂の力を強化する2012-07-29 Sun 19:05
前回は「感情を乱さない」ということを説明いたしました。感情を乱さないとは、要するに「平静の美徳」や「超然の美徳」、その他、直接的にせよ間接的にせよ、あらゆる美徳を養うということです。もともと地上人生というものが、美徳を養うことを目的としているからです。美徳が養われるにつれて、感情を乱すことはなくなってくるでしょう。感情が乱されやすいというのは、魂の力がまだ弱いことを示していると言ってもいいでしょう。 ただし、運命的に(環境的に)あまり問題がないために感情が乱されないというのであれば、それだけで魂の力が強いとは言えません。誰だって自分の思い通りの運命や環境に恵まれていれば、感情が乱されることはないでしょう。 たとえ、自分の思い通りに事が運ばず、逆境や苦難のなかにあっても感情が乱されることのない魂こそが、強い力を持った魂であると言えるのです。そのような強い力を持った魂へと成長するために、この地上人生があるのです。人間(魂)の真価は、逆境や苦しみのときにこそ試されるわけです。 いずれにしろ、この地上人生は、魂の力を鍛えるためにあるのです。このことを深く理解することが大切です。「人生はラクに楽しく過ごすものだ」と思っていると(そのような正しくない人生観を持っていると)、感情が乱されるような辛い出来事が起こると「人生はこうであってはならない」と思い、さらに感情が乱されてしまうからです。 このことは、しつこく強調しておきたいと思います。「不幸も苦しみもないラクで楽しい人生こそが正しい人生だ」という、霊的真実からすると間違った人生観が世の中に浸透しているからです。これは真実ではありません。不運と苦しみ、つまり感情を乱されるようなことが起こるのが人生なのです。自分の思うようにならないのが人生なのです。もしなんでも思うようになったら、どうして魂の力を鍛えることができるでしょうか。 これが、人生の本質なのです。この本質をしっかりと見抜いて理解することが大切です。釈迦の言葉を借りれば「人生は苦なり」ということになるでしょう。 ただし誤解しないでいただきたいのは、だからといってやたらに苦しめばいい、ということではありません。人にはそれぞれ計画された苦しみが、いわばある種の摂理に従って訪れてくるようになっています。それは通常、避けられない苦しみか、避けたら人間としての品格が落ちるような苦しみです。そのような苦しみが訪れてきたときにのみ、潔く受け入れるべきであり、マゾヒスティックに苦しみを求めるのは間違っています。 それはともかく、「人生の本質は感情を乱すようにできている」のですから、その人生の本質をありのままに受け入れ、人生とはそのようなものだと悟ってしまうことです。 そうすると、不愉快なことが起こっても、それを当然だと思えるようになり、感情が乱されにくくなってきます。地上世界とは、そのようにしてわざと負荷をかけることで感情を乱されないように鍛えていく「トレーニング・ジム」なのです。 くどいようですが、もう一度繰り返します。「不幸も苦しみもないラクで楽しい人生こそが正しい人生だ、人生はそうあらねばならない」という人生観を持っている限り、感情が乱れないようにすることは難しいです。それは間違った人生観であることをしっかりと深く理解し、「辛さや苦しみを経験することで魂の力をつけていくのが人生なのだ」と、正しい人生観を持つべきです。もちろん、そうした人生観を持っても感情は乱されるでしょうが、前者のような間違った人生観を持っているよりは、ずっと感情を制御しやすくなってくるはずです。 このように、人生というラクではないトレーニング・ジムで鍛えられながら、私たちは魂の力を強化していき、感情が乱されないようにし、成長を遂げていく存在なのです。その成長を促進させるために、瞑想だとか修徳法、あるいはヨーガといった修行をするわけです。 *瞑想法や修徳法、ヨーガについては、このブログの過去の記事、あるいは「覚醒プログラム」を参照してください。「覚醒プログラム」については→「斉藤啓一の作品店」まで。 スポンサーサイト
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コメント
シルバーバーチはご存知でしょうか?
無料で閲覧できます。 霊的真理は、そこで全て説かれているので宜しければどうぞ。 すでに知っていましたら、失礼致しました。 http://www5e.biglobe.ne.jp/~spbook/index.htm
マグナムやまとさん、コメントありがとうございました。
シルバーバーチの霊訓を無料で読めるこのサイトは私は知っていますが、このブログを読まれる方のためにご紹介いただけてよかったです。 シルバーバーチは私も心から敬愛する霊的存在のひとりです。 ただ、「私のいうことがすべて本当であると頭から信じてはいけない」と彼自身いっているように、やはり一度は自分自身の頭(理性)でよく考えて受け入れた方がよろしいかと思います。 2012-08-01 Wed 20:41 | URL | [ 編集 ]
シルバーバーチの「全てを知り尽くした存在による、絶対に誤ることのない言葉として披露するものではない」というメッセージは、自らが進化の途中であり人類に届けたのは、界層の一部の知識に過ぎないからです。
しかし、届けられたメッセージは人類の霊的成長に十分な知識です。 ただ受け入れる能力の有無だけで、霊的真理について一切の間違いは御座いません。 理性が納得できなければ、答えが得られるまで考え続ければ良いことですが、行き着く先は一つです。 心理学では、人の心を完全に救えないことは重々承知のことと存じます。 さらなるご検討をお祈りしております。 |
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