心の治癒と魂の覚醒

        

ありのままで生きる

 私がウツになってから、ここでいろいろと書いていることについて、私の友人から「そんなことまで書かない方がいいのではないか」と言われた。
 確かに、人を癒すカウンセラーをしていたり、覚醒や悟りといったことを書いたりしている私が、ウツになって苦しんでいることを表明するのは、恥をさらすようなものだろう。いわゆるイメージダウンとなり、がっかりして離れていく人もいるに違いない。「なんだ、単なる俗物にすぎないじゃないか」、「なんだ、弱い人じゃないか」といって。
 けれども、できる限りありのままの自分をさらけ出して生きるというのが、私の信念であり生き方なのだ。私は「嘘」がない生き方がしたい。とはいっても、それを徹底できるほど強くはないので、「できる限り」という前置きがついてしまうけれども・・・。
 この世の中は、嘘だらけである。表と裏に満ちている。
 たとえば、もし宗教の教祖になったとしたら、完璧な人間を演じなければならない。いや、「人間」であってはならない。「神」とならなければいけない。いかなる人間的な欠点もゆるされない「神人」にならなければならない。さもなければ、信者をかこっておくことはできなくなり、組織として運営ができなくなるからだ。教祖は完全でなければならないのだ。
 けれども、そのような人は、おそらくこの世の中には存在しない。
 教祖や宗教的なリーダーの立場にある人は、ただ自分の欠点や醜さ、弱さを隠しているだけである。
 若かった頃、私は何人かの宗教的指導者に憧れ、それこそ何の欠点もない神のような高潔な存在であると思っていた。けれども、そのような指導者に近づいていくにつれ、さまざまなスキャンダラスな噂が耳に入ってきた。表で言っていることと、裏でやっていることが違うのである。
 そんなことを間接的に、また直接的に知るにつれ、若かった私の心は傷ついて失望した。そして、そのような欠点を必死になって隠そうとする本人や側近たちの態度が醜いものに感じられた。そんなことは知らずに(あるいはあえて目をそらして)、何の欠点もない存在として教祖を神格化する信者たちが、よくいえばロマンチスト、悪くいえば「お人好し」に思われた。この世の中に「完全なもの」はない。それがあると思う人が、おかしな宗教だとか悪徳商法などにだまされてしまうのだと思う。彼らは善い人ではあるかもしれないが、精神的には幼い。何かに依存しないではいられないのだ。
 私が何の欠点もない存在としてここに文章を書いたなら、そんな幼稚な人たちをたくさん引きよせて人気が出るかもしれない。だが、そんなことに何の意味があるだろう(金は儲かるかもしれないが)。それは虚偽ではないだろうか。第一、私は完全さを演じなければならないような、そんな窮屈な生き方、また、ある意味で人をだますような生き方はしたくない。真実は、俗っぽさを隠そうとする人こそが俗人であり、弱さを隠そうとする人こそが弱い人ではないのだろうか。表と裏に満ちているこの世界にあって、あえて表も裏もない生き方をすることこそが、人生を真に生きるということではないだろうか。
 だから、私は自分の醜さも弱さもなるべく隠さないようにしたい。最初から隠さずに、ありのままの姿をさらけ出していれば、誰をも傷つけたり失望させることもないだろう。完全な「教祖」を求めるような人は、最初から寄ってはこないだろうから。
 こうした生き方が、せめてもの、私の文章を読んでくださる方々への誠実さだと思っている。私の「不完全さ」の体験の中から、何か参考になるものを得ていただければという願いを込めて文章を書かせていただいている。だからこれからも、友人の忠告は無視して、どんどん弱点や欠点を書いていこうと思っている。
 完全さを演じて愛されたとしても、真に愛されていることにはならない。醜さや欠点を知りながらもなお愛してくれるのが、真の愛であろう。私は幻想の愛など欲しくはない。私が欲しいのは真実の愛だ。
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コメント

世界人類が平和でありますように

ありのままに自然体て生きるのがベストだと感じます。

本当の自然法爾になったとき、安楽世界に安住することになると思います。

お互いに辛く苦しいうつ状態を突破して参りましょう。

斉藤啓一様がご健康でお幸せでありますように
2015-04-07 Tue 11:17 | URL | たきざわ みちたか [ 編集 ]
斉藤さま

良い記事ですね。
強さ、大きさを感じます。
多くのものを寛容に受け止めても、まだ余りある懐の広がりを想像してしまいました。

うん、すごいです。
正直、驚いています。
これほど加速度的に変化するとは思っていませんでした。

斉藤さま自身が、しっかりと自分を持って天を見上げているように見えます。

強いですね。

何かあったのでしょうか。
2015-04-07 Tue 17:31 | URL | 黒いネコ [ 編集 ]
斉藤啓一です。黒いネコさま、コメントありがとうございました。ウツの症状については特によくなったというわけでもなく、何か劇的なことがあったわけでもありません。ただ、友人の言葉を聞いたとき、胸の底から熱いものが出てきてそれを文章としてぶつけただけです。正直、ときどき弱気になることもありますが、同時に負けないぞという気持ちもあります。それは黒いネコさまのように、私を見守るようにこのブログを読んでくださっている方々に支えられています。感謝です。

たきざわさんもありがとうございました。
2015-04-07 Tue 18:50 | URL | [ 編集 ]
斎藤さま

なるほど……と、納得してしまいました。
斎藤さまの本心が力を取り戻し始めたのだと思います。

やはり強い人なのですね。
自分で自分を押さえつけることをしなければ、大抵のモノには折られないのでしょうね。

本当に驚きました。

言葉に力とやさしさが湧き上がっています。

すごい!
2015-04-07 Tue 21:18 | URL | 黒いネコ [ 編集 ]
世界人類が平和でありますように

Facebook上で、斉藤先生のお名前を見つけてお友達になって下さいメールして置きました。Facebookは始めたばかりなので、わからないことが多いです。とにかくお友達申請の件よろしくお願い致します。

神様真我幸福平和・神様聖者幸福平和

斉藤啓一様がご健康でお幸せでありますように
2015-04-07 Tue 21:47 | URL | たきざわ みちたか [ 編集 ]
ウツになったことについて書かれるのは、全然イメージダウンではないと思います。返って、「こんなに博識で、深い洞察力と慈愛を備えた文章を書く人も、こういうことで苦しんでいるのか」と、自分の経験に照らし合わせて勇気づけられたり、共感を覚えて、「この人もがんばってるんだから私もがんばろう」と思う読者の方もたくさんいらっしゃるのではないかと思います。第一、真剣にこのブログを読んでいらっしゃる方は、「斎藤先生ご自身」をカリスマや教祖のように崇めたいのではなく、「斎藤先生の書く記事」を読むことによって、「ははあ、人間の進むべき道とは、悟りとはこういうことなのか」と学んでいきたいだけだと思います。斎藤先生に共感・敬愛を感じこそすれ、先生をアイドル化することになど興味はないのではないでしょうか?誰かをアイドル化して崇めること自体、悟りを求める生き方とは外れているはずです。ですから大丈夫だと思いますよ。
2015-04-11 Sat 00:22 | URL | りっくん [ 編集 ]
斉藤啓一です。りっくんさん、私の方こそ勇気を与えてくれるすばらしいコメントに心から感謝いたします。ありがとうございます。
2015-04-11 Sat 23:08 | URL | [ 編集 ]
神様大好きの名で、ブログ「幸福と平和への道」を毎日更新しています。悟りと救いを求めて、「世界人類が平和でありますように 生命安楽幸福平和」と祈り、瞑想する道を提示しています。よろしかったらご覧ください。

斉藤啓一様の天命が完うされますように
2015-04-13 Mon 00:25 | URL | たきざわ みちたか [ 編集 ]
「最初から隠さずに、ありのままの姿をさらけ出していれば、誰をも傷つけたり失望させることもないだろう。」
久しぶりにコメントさせていただきます。

この言葉に出会うためにきっとまたブログに導かれたと思います。

本当の強さを示してくださり、ありがとうございます。

私も幻想の愛はもうほしくありません。

2015-04-17 Fri 13:02 | URL | シビラ [ 編集 ]
斉藤啓一です。シビラさん、励まされる嬉しいコメント、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

2015-04-18 Sat 21:12 | URL | [ 編集 ]
私はこの世界の破壊を望んでいますよ
世の中を見ても目にあまる幼さばかりです

そんな人々の幼さを見て可愛らしく思う時もありますが
この世界の未来を憂いているのが事実です

叱咤としての破壊でも与えられない限り
真に人々が気付くことはないと
最近は特に感じています

偉大なるマスターや聖者なるものは
本当にわかっている成長している者は決してなりません
まだ幼さがあるからこそ、聖者を行うものです
この世界ならではかと思います
でもそれで良いとも思います
人に教えることで大きくなれるのですから

そろそろ覚悟を決めていこうと思います
この世界の幼さと対峙していこうと
そう感じています。
2015-04-18 Sat 22:04 | URL | ゆうなぎ [ 編集 ]
斉藤啓一です。ゆうなぎさん、コメントありがとうございました。これは難しく、奥の深い問題ですね。確かにこの世の中には幼い人が多いですし、破壊的な経験をすることでそこから成長することも確かだと思います。けれども、私としてはこれ以上、この世の中に破壊的なことは起こって欲しくないとも思っています。一番いいのは、破壊的な経験をせずに、成長することだと思いますが、しかし人間はある程度辛い経験をしなければ成長しないことも事実ですね。
本当に難しい問題です。今の私には答えは出せません。
2015-04-20 Mon 21:21 | URL | [ 編集 ]
斎藤さん

久しぶりにブログを見たら、このような記事で驚きました。

神秘行の研究家の方が、このようなことを言えるのは、イメージダウンどころか、まっとうに修行をしてきた証拠のように思います。

弱く、苦悩が多く、邪悪なものもたくさん抱えているからこそ、幸せになるために修行をするのだし、また、他者に共感し、助けになれることもあるのだと思っています。

良い記事をありがとうございます。
2015-04-22 Wed 17:28 | URL | kubota [ 編集 ]
斉藤啓一です。kubota さん、深く理解を示してくださるお言葉、心より嬉しく拝読させていただきました。どうもありがとうございます。とても励みになりました。
2015-04-22 Wed 23:27 | URL | [ 編集 ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2015-05-10 Sun 11:49 | | [ 編集 ]

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