心の治癒と魂の覚醒

        

霊界は存在するか?


 霊界の存在を否定している宗教は、おそらくないと思います。霊界が存在しないということは、この世界は物質的な地上世界だけであり、死後の魂が存在する場所がないことを意味します。ということは、魂も存在しないことになり、これでは宗教というものが成立しないでしょう。
 したがって、もし霊界の存在が否定されたとしたら、宗教やスピリチュアルというものを根幹から否定することになるかもしれません。
 では、実際のところ、霊界というものは、果たして存在するのでしょうか?
 私はきわめて疑わしいと考えているのです。
 次に、その理由を説明してみたいと思います。

 ほとんどの宗教は霊界の存在を説いています。比較的シンプルなのは、霊界には天国(極楽)と地獄があり、その中間があるといったものです。 「幽界・霊界・神界」といったように分類している人もいれば、神智学などでは、さらに多層的なものとして解説されています。
 もし霊界というものが存在するなら、なぜ人によって、このように見解が異なるのでしょうか?
 仮に、神智学でいうような多層的な構造をしているとしたら、なぜどの人も同じようにそれを見ないのでしょうか?
 これについては、霊界を観察した人の能力の限界があるという可能性もあります。たとえば、この地上でも、視力が弱ければあまりよく見えませんし、視力がよければ、詳しいことも見えます。
 それと同じように、霊的な能力も、人によって違いがあることは十分に考えられますから、それが理由なのかもしれません。
 もしも、能力に差がないとしたら、見る人によって霊界の構造が違うというのは、誰か一人だけが真実を説いているか、あるいは、すべて真実ではないかのいずれかになるでしょう。
 これについては、今の時点ではわからないので、とりあえず、霊的な能力の違いによって、霊界の構造に関して違う見解があるのだとしておきます。

 ところで、霊界をはじめ、生まれ変わりだとかカルマの法則といった、霊的な事柄に関する情報が送られてくるソースは、およそ次の4つあると言えると思います。
1.霊能者が幽体離脱して霊界の様子を見聞して報告された情報
2.チャネリングを通して霊界の住民から教えてもらった情報
3.臨死体験を通して得られた情報
4.退行催眠を通して得られた情報

 1の代表的な人物は、スウェーデンボルグ、出口王仁三郎、ロバート・モンローなどがあげられるでしょう。2は、『霊の書』『シルバーバーチの霊訓』といったものが古典として知られています。その他、最近のスピリチュアルを含めるとたくさんあります。3も4も、その種の本がたくさん出ています。
 こうした本を読みますと、ほぼ共通したことが言われています。ここではとりあえず、臨死体験をとりあげて話を進めてみます。

 臨死体験は、重篤な事故や病気などで、魂(幽体)が一時的に肉体から離脱し、天井付近に浮揚したり、その後、霊界に行ってその様子を見たりする体験です。そして、天国らしき美しい情景が目の前に広がり、そこに行こうとするのですが、「あなたはまだこちらに来る時期ではない」といった声が聞こえたりして、気がつくと肉体に戻っていた、といったパターンがたいてい共通しています。
 さて、ここで、目の前に天国のような美しい情景が広がり、そこへ行くためには、日本の場合、川が見えるという報告があります。いわゆる彼岸と此岸の間にある「三途の川」です。どうも、向こう側に行ってしまうと本当に死んで肉体には戻ってこれないようなのです。
 こうした霊界の光景を見た臨死体験者は、それがあまりにも生々しくリアリティがあったと語ります。夢のような、ぼや~としたものではなく、この地上世界と変わらないほどはっきりとした現実感があったというのです。ですから、体験者のほとんどは、霊界は存在すると確信するに至ります。

 しかし私は、それでも霊界は幻想で存在しない可能性が高いと考えます。
 それは以下の理由からです。
 霊界の様子は、その人が生きてきた文化を色濃く反映しています。日本人の臨死体験者は彼岸と此岸の間に川を見ることが多いのですが、西洋人の臨死体験者の報告には、川はほとんど出てきません。それはおそらく、私たち日本人は「三途の川」があると聞かされてきたからではないかと思います。
 また、霊界には建物が見える場合があるのですが、日本人の臨死体験者は日本的な家が建っているのが見え、西洋人の臨死体験者は、西洋的な家が建っているのが見えるのです。
 私は以前、実際に臨死体験をした人から直接、話を聞いたことがあります。その人は結婚して日本に長く住んでいる台湾人の女性でしたが、病気で死にかけて、霊界に行きました。そして、目の前には、巨大なチューリップが咲き乱れる美しい光景が見え、その前には川があり、橋がかけられていたといいます。
 私は「巨大なチューリップ」というのを初めて聞いたので詳しい説明を求めると、その女性が言うには、巨大なチューリップは「蓮の花」にも似ていたと言います。
 おそらく、彼女にとって「花」というとチューリップが思い浮かぶのだと思います。そして極楽には「蓮の花」があると、仏教が盛んな国では言われています。ですから、チューリップと蓮の花とが融合されて「巨大なチューリップ」というものを見たのではないかと思うのです。ちなみに、西洋人の臨死体験者で「蓮の花」を見た人は、私が調べた限りではいません。
 また、この台湾女性によれば、川にかけられた橋は赤い色をしており、竜の模様が刻まれていたとのことです。つまり、中国風のデザインがされてあったということです。
 その後、この女性は、背後から自分の名前を呼ぶ声が聞こえ、気づいたら病院のベッドで意識が戻ったということです。
 この女性も言っていましたが、この体験は夢のようなぼんやりしたものではなく、現実世界とまったく変わらないほどリアルであったということです。彼女は霊界は存在すると自信に満ちた調子で主張していました。

 さて、以上、お気づきになったと思いますが、臨死体験による霊界の様子は、その人が生きてきた文化の影響を受けているということです。このことは、彼らの見た霊界が、自分が作り出した幻影の可能性が高いことを示しています。
 なぜなら、もし、霊界という場所が客観的な世界だとすれば、東洋人だろうと西洋人だろうと、生まれ育った文化に関係なく、同じ光景を目にするはずだからです。
 しかし、そうではありません。その人の記憶にあったものが、外的な世界に投影されて現前しているのです。これは、どんなにそれが鮮明でも、基本的に夢と変わりません。
 ある世界が存在すると言えるには、その世界は他の人と共有されている必要があります。たとえば、私とあなたが同じ場所に行けば、同じデザインの建物や景色を見るはずです。もし見るものが違うとしたら、その世界は客観的に存在するとは言えません。
 さきほど紹介した台湾の女性に、フランス人の友達がいたとしたら、死後、そのフランス人と会うことはないはずです。なぜなら、そのフランス人は、巨大なチューリップや中華模様の赤い橋などは見ないだろうからです。おそらく、フランスにある建物のデザインをしたものを見るでしょうし、フランスの田園地帯に咲き誇る花を見るでしょう。

 ところが、死後、外国人の友達と会うという経験をしている臨死体験の報告もあるわけです。たとえば、日本的な家屋が建ち、日本的な田舎の光景のなかで、アメリカ人の友人と会ったりするわけです。
 しかし、アメリカ人は、アメリカ的な光景を見るはずです。
 つまり、どういうことかと言うと、そのアメリカ人も、結局は自分が作り出した幻影だということです。本当にそのアメリカ人と会ったわけではないのです。
 こう考えると、少なくとも臨死体験者が語る霊界は、存在していない可能性が高くなります。結局、それは脳の働きによる幻想だということになります。脳は、幻想を非常にリアルに感じられる機能を持っているようです。統合失調症の人は、非常にリアルな幻覚を見るようです。それがあまりにもリアルなので幻想だと気づかないのです。脳には、このように、幻想をリアルな感覚として見る働きが備わっているのです。
 そのために、臨死体験者は、自分の見た幻想を真実だと錯覚し、霊界は存在すると思い込んだのではないかと思います。このことは基本的に、霊能者が霊界の様子を見たということにも当てはまると思います。霊能者はただ幻想を見ただけなのです。退行催眠で霊界を見たという証言も、おそらく幻想です。
 まとめると、霊界という場所が客観的に存在するのであれば、すべての人が同じ光景を見るはずです。しかし、生まれ育った文化の違いで霊界の様子も異なるということは、霊界は客観的な存在ではないことになり、客観的な存在でなければ主観的な存在、つまり個人の意識が投影された幻想ということになるのです。
 そして、生まれ育った文化の記憶は脳に蓄えられているので、要するに霊界とは、脳が生み出した幻想の可能性が強くなってきます。

 ところが、次のようなケースがあります。
 ある人が、臨死体験の最中、霊界で幼い頃に行方不明になっていた人と会う経験をしました。その人も臨死体験か何かの原因で、生きていながら霊界に参入していたようです。時がたっていたので立派な大人に成長していました。その姿の特徴をはっきりと覚えていたといいます。その後、しばらくして、その人と地上で会うことができたのですが、その姿は、臨死体験(霊界)で目撃した姿そのままだったと言います。
 これが事実だとすると、霊界は脳が作り出した幻想だと片付けることはできないようにも思えてきます。
 しかし、それでもなお、霊界は幻想であり、実在していないと考えられるのです。
 次回は、この点について説明してみたいと思います。
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