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心の治癒と魂の覚醒

        

生まれ変わりは本当にあるのか?

 仏教や、ほとんどのスピリチュアルの教えでは、人間は何回も生まれ変わっているとされています。いわゆる輪廻転生です。イメージとしては、魂が、霊界と地上との間を何回も往復しているといった感じでしょうか。
 こうした生まれ変わりというのは、本当にあるのでしょうか?
 これに関する回答は、すでに出ています。つまり、前回まで魂が実在するかどうか考察してきて、その結果、魂は実在しない可能性が高いと考えられたので、魂というものがなければ、当然、生まれ変わりも存在しないことになるからです。

 ところが、「前世を記憶する子供たち」といった論文があり、それを見ると、確かに生まれ変わりは存在するのではないかと思われることがあります。
 たとえば、あるとき子供が「自分はどこそこの村の、何とかという親の子供だった」と突然言い出すのです。その村は遠くにあり、今までその子供は行ったことがありません。しかしあまりにもしつこく言うので、親が子供をその村に連れていくと、まるで知っているかのように迷うことなく歩いていき、目的とする家を見つけて、出てきた人を「お父さん、お母さん」と呼んだという話です。そして実際、その家では、その子供が生まれた直前に、子供が死んでいたことがわかったのです。しかもおまけに、その子供は頭の怪我が原因で死んだのですが、尋ねてきた子供の頭にも、生まれながらに傷があったといった具合です。
 イアン・スティーブンソンという学者は、こうした事例を数多く報告しています。
 さらにまた、今まで決して知りえたことのない外国語を話すという現象も報告されています。たいていの場合は、幼い頃に、たとえば母親が外国語を習っていて、それをそばで何気なく耳にして潜在意識に記憶されており、そのことをすっかり忘れていただけというのが多いようです。それが、たまたま潜在意識が開かれたとき、今まで自分が知らない(と思っていた)外国語を話すというわけです。そういう事情を知らないと、あたかも前世の記憶がよみがえったためであると思って、生まれ変わりの証拠だとしてしまうわけです。
 しかし、ごく稀に、実際にまったく知らない外国語を話すというケースもあるようです。だとすると、スティーブンソンの事例と合わせて、生まれ変わりが存在するとしか結論できない、確かな証明になるように思われます。
 しかし、それでも、必ずしもそうとはいえないのです。

 かつて1970年代、旧ソ連は軍事目的や教育目的で、超能力の研究を膨大な予算を使って行っていました。
 そのなかで、ウラディミール・ライコフ博士は、「人工転生」という研究を行っていました。これは、「あなたは過去の偉大な人物の生まれ変わりである」という暗示をかけると、その偉大な人物の性格や知識や技能が発揮されてくるという研究です。
 たとえば、有名な画家ラファエルの生まれ変わりだと暗示を受けた女学生の場合、あなたは誰ですか?と質問すると、「私はラファエルです」と答え、「今は何年ですか?」と尋ねると「もちろん1505年です」などと答えるのです。そして、彼女は絵の訓練を今まで受けていなかったのですが、この催眠術を繰り返すたびに、プロ並みの絵の才能を発揮したのでした。
 これはもちろん、ラファエルの魂が生まれ変わったわけではありません。後天的にかけられた催眠術によって、このようになったからです。
 ここからわかることは、ラファエルに関する情報がこの宇宙のどこかに記録されており、催眠術によって特殊な意識状態(変性意識)になると、その情報にアクセスすることができ、その情報をダウンロードすることができるのではないかということです。
 そうだとすると、必ずしも生まれ変わりであると結論できないことになります。

 たとえば、スティーブンソンが調査した生まれ変わりの実例の場合も、その子供が、過去の子供の情報と何らかの原因でアクセスし、その結果、過去の子供の情報が入り込んで、あたかも生まれ変わりであるかのようになるのではないかと思われるわけです。
 また、今まで習ったことがない外国語を話せるようになるというのも、その外国語の情報とアクセスしてダウンロードしたために、その外国語が話せるようになったのではないかと、このような推測も成り立ちます。
 ですから、こうした、一見すると生まれ変わりのように思われる現象があったとしても、それをすぐに生まれ変わりだと結論づけることはできないのです。

 なお、生まれながらに傷があったという現象ですが、これも暗示として説明がつきます。たとえば、催眠術をかけて、えんぴつを火箸だといって腕に当てると、やがてその部分に火ぶくれができることが知られています。思い込みの力が肉体に変化をもたらすのです。
 さきにあげた子供の場合も、頭を怪我したという情報が強かったために、それがある種の暗示となって、すでに胎児の段階で、傷を形成させてしまったのではないかと推測できます。過去に怪我をした人の情報にアクセスすると、その情報がある種の暗示作用として働き、そのために、同じ部分に傷痕がつくのではないかと思われるのです。

 霊能者が人の前世を霊視するというのも、おそらく、死んだ過去の人物の情報にアクセスし、その情報を、あたかも目の前の人間の前世であると勘違いしている可能性があるわけです。

 もちろん、真実はわかりません。本当に生まれ変わりはあるのかもしれませんが、ここで申し上げたいことは、決して生まれ変わりは実証されたわけではなく、存在しない可能性も十分にあるということです。
 生まれ変わりはあるのだと決めつけるのも間違いであり、生まれ変わりはないのだと決めつけるのも間違いだということです。
 それらはいずれも、ある種の偏見です。偏見がある限り、真実への道は閉ざされてしまいます。なぜなら、その偏見が真実であると思い込んでいるわけですから、本当の真実に出会ったとき、「これは真実ではない」といって、真実を否定してしまうことになるからです。
 真実というものは、「わからない」と考えている人のところにこそ訪れるものと、私は考えています。
 私がここ最近、宗教やスピリチュアルを信奉している人の気持ちに水を差すようなことを書いているのも、そのためです。本当の宗教やスピリチュアルであれば、偏見ではなく真実をめざすはずです。ならば、宗教やスピリチュアルで説かれていることを信じてはいけないのです。「信じる者は救われる」などと言われていますが、実は「信じない者は救われる」なのです。
 なぜなら、人は真実によってのみ救われるからです。
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コメント

はじめまして、と言っても以前にもこちらのブログを拝見させていただいたことがあったかと思います。その時はスピリチュアル寄りのご意見をお持ちの方のブログだと思って読ませていただいたような記憶がありましたが、今回読ませていただいて、ご意見の方向性が変わって来ておられるようで、私といたしましては、現在のご意見の方に同感できる部分がたくさんありましたので、コメントを入れさせていただこうかと思った次第でございます。
とくに同感いたしました点は、「わからないことはわからないままとする」というところですね。
話が長くなってしまいそうなので、今回はご挨拶だけにしておきます。
また、拝見いたします。

2017-10-31 Tue 00:15 | URL | ふたつ [ 編集 ]
斉藤啓一です。ふたつさま、コメントありがとうございました。ご同感いただき、嬉しく思います。今後ともよろしくお願いいたします。
2017-10-31 Tue 11:57 | URL | [ 編集 ]

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