心の治癒と魂の覚醒

        

カルマの消滅と不動の心境

 読者の方から、「神に全託の祈りを捧げたら、さっそく苦難が訪れた」というコメントをいただきましたが、実際、こういうことはよくあるのだと思います。業想念やカルマを浄化させられるわけですね。浄化のために訪れたのですから、時間がたてばエネルギーを放電しつくして、必ずいつかは消えるのです。消えたあとは、すばらしいことが開花する可能性が高まるのです。それが道理なのです。
 しかし、その道理を知らなければ、こうした苦難は、不幸や不運、苦しみ以外のなにものでもなくなってしまうでしょう。
 人間というものは、自分を変えようとせず、人や環境や運命といった外の世界を変えたがります。だから、「念ずれば現実化する」といった成功哲学や、「願望が達成されたイメージを浮かべれば叶います」といった、ニューエイジの本に人気が集まるのでしょう。

 確かに、想念には現実を創造する力があるでしょう。しかし、覚醒していない限り、そうした想念は自我(エゴ)から発せられるわけですから、そうした念力が、果たして幸せに導いてくれるかというと、おおいに疑問に思うのです。
 やはり、自分はどうすれば幸せになれるのかを、一番よく知っているのは、高い次元から地上の人生を見ることのできる存在、つまり、守護霊や守護神、神様ではないでしょうか。
 ですから、神様の導きに素直にしたがっているのが、幸せになるためには、一番早くて確実ではないかと思うのです。そして、そういう導きが与えられる心境というのは、これまで述べてきたように、「神様にすべてをお任せします」という祈りであり、なにが起こっても「これでいいのだ」と受け入れて「神様、ありがとうございます」と感謝する気持ちではないかと思うのです。
 そう祈ると神様は、「よし。そういう心境であれば、今までは仕方なく小出しにカルマの浄化をさせていたが、もっと早く成長させ早く幸せにさせるために、もう少しカルマの浄化を増やしても大丈夫だろう。結果的には、早い方が苦しまずにすむのだから」といって、苦労が与えられるのではないかと思うわけです。

 いずれにしろ、そうして、外界を変えようとするのではなく、内なる世界、つまり自分を変えていくことが、幸せになる本当の道ではないかと思います。
 外界は、どんなに変えようと努力しても、限界があります。どんなにお金持ちになっても、からだや心は病んだりしますし、老いは避けられず、やがて死を迎えます。愛する人と突然に死別する苦しみに見舞われるかもしれませんし、一夜にして破産してしまうことだってあるわけです。
 外界は本質的に、無常かつ無情なのです。ですから、幸せになるためには外界を変えなければならないと、必死に眼を外にばかり向けている人は、いつか苦い挫折と失望を味わうことになるでしょう。

 しかし、神とつながっている人は、外界に生じる出来事には「覚醒」という意味があり、それゆえしばらく耐えていれば、必ずカルマは消滅して光明が訪れるということがわかっています。それゆえ、目先や小手先のいやしい手段に訴えることなく、人間として正しい生き方を貫きながら、辛い出来事にもじっと耐えていける信念や勇気を持つことができるようになるのです。
 人間は、たとえどんなに辛くても、苦しみはいつか必ず終わるとわかっていると、なんとか耐えていけるものです。ところが、この苦しみは終わらないのだと思うと、気持ちが萎えて、とても耐えてはいけません。つい不正な手段に訴えたり、やけになったりして、ますます深みに落ち込んでしまいます。実際、人間は苦しい状況に追い込まれると、まともな判断力をなくし、この苦しみはいつまでも続くのだという、不合理な考え方に取り憑かれてしまう傾向があります。そうして悲観的になり、絶望して、はい上がれなくなってしまうのです。

 もちろん、なかには、一生耐えていかなければならない(一生カルマの清算をしていかなければならない)苦しみもあるでしょう。たとえば、治療不能なほど心身の障害を背負ったような場合です。これほど重くはないにしても、人間はだれでも、一生かけて清算していかなければならない苦しみは持っていると思います。
 ただ、大部分は、カルマの清算をし、自分で自分の可能性を否定さえしなければ、必ず道は開けるものなのです。換言すれば、心配事の99パーセントは、現実には起こらないということです。心配しただけ損に終わるということです。私たちの多くは、苦しみそのものよりも、苦しみが訪れるかもしれない、苦しみはずっと続くかもしれないという不安や恐怖の思いによって、自らをつぶしてしまっているのです。

 ですから、覚醒をめざす私たちは、以上述べたような希望や確信を胸に秘めながら、どんなことが起こっても、どんな状況に追い込まれても、「これは一時的なものにすぎない。そのうち消えていくものである」と思い、平然としていられる不動の心境を養っていくべきだと思うのです。こうした心境こそが、いち早くカルマを消滅させ、もっとも早く幸福へと導いてくれる「最高の財産」だと思うのです。
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