ヨーガ式の呼吸法-その大きな効果2010-08-02 Mon 16:12
前回、日常生活を営んでいるときにも、意識的に呼吸を深く、規則正しく、ゆっくりと行うようにする、それを習慣づけることが大切であると説明いたしました。すでに実践された方は、けっこう難しいと思われたかもしれません。普通の人は、生まれてから今まで、呼吸の仕方を自覚すること、まして、それを意識的に変えていくなどということは、おそらくやったことがなかったでしょう。ですから、普通の生活をしているときは、呼吸のことなどつい忘れてしまうわけです。
しかし、前回述べたように、私たちの大半は、意識しなければ、健全とはいえない呼吸をしています。そのために、プラーナ(生命エネルギー)がうまく体内に吸収できず、また、体内のプラーナがうまく循環できないでいるのです。その結果、心身が病んだり、本来の力を十分に発揮できない状況に陥っているわけです。 このように、意識的に呼吸を深く、規則正しく、ゆっくりと行うように訓練していくことが必要なのですが、もう少し詳しく、このヨーガ式の呼吸法のやり方を説明いたします。 ヨーガの呼吸法は、座って実習する場合は、吸った息を止めるということをします。これにはもちろん意味があるのですが、この呼吸法についての詳しいことは、まだ先で説明することにします。とりあえず今回は、日常の生活を送りながら行う呼吸について説明します。この場合は、息を止めることは基本的にはいたしません。 ただ、普通の呼吸と異なる点は、胸と腹を両方使って呼吸をすることです。 呼吸は、一般に胸式と腹式に分かれます。胸を膨らませるようにする呼吸、そして、お腹を膨らませるようにする呼吸です。女性は胸式、男性は腹式の呼吸をする傾向があるようですが、たいていはどちらかのやり方で呼吸をしているわけです。 しかし、これですと、肺の機能が十分に活用されません。換言すれば、十分な空気を肺に取り入れることができないのです。意識的に空気を吸えば別ですが、無意識的に呼吸を行っているとき、胸式あるいは腹式だけでは、どうしても、浅い呼吸となってしまうのです。 ところが、胸式と腹式の両方で呼吸をするようになると、たとえ無意識的に呼吸をしているようなときも、深い呼吸ができるようになるのです。したがって、胸式と腹式の両方で呼吸をするように習慣づけることが必要になってきます。それがヨーガ式の呼吸法なのです。 具体的なやり方ですが、息を吸うとき、まず空気を下腹部に入れるのです(もちろん実際には空気は肺に入っているのですが、気持ちとして)。すると下腹部が少し膨らむはずです。そうしたら、しだいにお腹の上のほうへと空気を入れて膨らませていき、お腹の上部にまで空気を満たします。そうしたら今度は引き続き、胸の下の方に空気を入れ、最後に胸の上部に空気を入れます。 そうして、息を吐くときは、やや腹筋に力を入れ、腹筋で腹をひっこめるような感じで吐いていくのです。 これが、胸式と腹式の両方を用いたヨーガの呼吸法です。 なお、呼吸は鼻で行います。特別な場合をのぞいて、ヨーガの呼吸法は口ではなく鼻で行います。 この呼吸法を行うと、大量の空気が肺に満たされるため、通常より多い酸素を取り入れることができ、そのために呼吸の回数が少なくてすむようになります。また、肺に空気をいっぱいに吸い込んで吐き出すため、肺の中に滞留していたよどんだ空気も排出されて、血液をきれいにする働きもあるようです。 このように、大量の酸素と血液の浄化によって、からだのあらゆる細胞や内臓が活性化されてきます。とくに大きな影響を与えるのは、脳です。脳は大量の酸素を必要とし、また血液が少しでも濁っているとうまく機能できません。そのため、大量の酸素を供給し血液を浄化するこのヨーガの呼吸法を行うと、非常に脳が活性化されてくるのです。つまり、精神(意識)が活性化されてくるということです。 もちろん、こうした物理的な理由だけでなく、プラーナという生命エネルギーを多く取り入れるという理由によっても、脳やからだの細胞が活性化されてくるわけです。 したがって、日常において、以上のようなヨーガの呼吸を意識的に行って下さい。そしてついには、それが無意識的にできるようになるのをめざしましょう。それにはけっこう時間がかかると思います。完全にそれができるようになるには、おそらく数年は必要かもしれません。それほどまでに、私たちがこれまで形成してきた無意識的な習慣というものは頑固なのですが、しかし、努力を続ければ必ず変えられます。世の中に、努力の積み重ねほど偉大なものはないと、私は思っています。 スポンサーサイト
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コメント
こんにちは、斉藤さん。
呼吸法、早速取り入れました。難しいですね。 瞑想中はアジナーチャクラへの意識と呼吸法が伴わず、どっちか一方になってしまいます。 でも頑張って続けていこうと思います。いつか上手にできますように。 ところで呼吸は口ですか鼻ですか?周りの人への配慮から、比較的静かな鼻呼吸をしていますが・・・。 2010-08-03 Tue 15:24 | URL | ワタナベ [ 編集 ]
斉藤啓一です。コメント、ありがとうございました。
瞑想か呼吸法か、どちらかに意識がいって一方がおろそかになってしまいますよね。 しかし、ピアノを弾く人が、左手と右手で別々に違う楽譜を演奏できるように、これも練習の積み重ねだと思うのです。がんばっていきましょう。 それと、肝心なことをいうのを忘れていました。 呼吸は鼻で行ってください。口呼吸は、空気中の細菌が無防備で粘膜から侵入して、からだによくないみたいです。 それと、呼吸は、なるべく静かに音を立てないで自然に行う方がいいかと思います。 2010-08-03 Tue 19:33 | URL | [ 編集 ]
なるほど。楽器みたいに器用に弾けるようになるには、ひたすら練習ですよね。
鼻呼吸ですね、了解しました。 頑張ります。 2010-08-03 Tue 19:45 | URL | ワタナベ [ 編集 ]
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