図書紹介 『霊の書』上・下2010-08-12 Thu 21:35
図書紹介 『霊の書』上・下
アラン・カーデック編 桑原啓善 訳 潮文社 1987年 本書は、19世紀に書かれた、いわゆるチャネリング本の古典である(当時はチャネリングという言葉はなく、「霊言」などと呼ばれていた)。今日、チャネリングに関する本はたくさんあるが、その深さと格調高さ、体系的に網羅された内容という点において、今なお本書の右に出るものはないと思っている。何度も読み返した私の愛読書のひとつである。 通信した霊は、聖ヨハネ、パウロ、アウグスチヌス、ソクラテス、プラトン、スエーデンボルグその他で、通信手段は、プランセット(いわゆる西洋“こっくりさん”)を用いている。 宇宙の法則、人間の生まれ変わりのしくみやその意味、魂の進化、霊界、人生の目的、苦しみや悲しみ、試練の意味、その他、非常に広範囲にわたる質問に、霊たちがよくまとまった言葉で格調高く答えている。 チャネリングの本というと、耳に心地よいだけの、どこか軽薄な印象を受けるものも少なくないが、本書は文体としては読みやすくシンプルでありながら、最初から最後まで深く高潔な雰囲気が漂っている。読んでいて、非常に啓発させられる本である。 そのなかで、自分を向上させることに関する部分を、少し長くなるが、抜粋して紹介してみたい。 〔質問者〕毎日の生活で、自己の精神的向上をすすめ、悪の誘惑にびくともせぬ、そのための最も効果的な方法は何ですか。 「古代のある賢人が、既に諸君に告げている<汝自身を知れ>と」 〔質問者〕私共はこの格言の知恵を十分に承認しています。しかし、この自己認識は、最も習得することの困難なものです。どうやったらこれが習得できますか。 「地上に在った時、私がやったのと同じ事をなされよ。一日の終りには、私は自分の良心に問いかけ、その日のすべての自分の行為をかえりみた。何か義務を怠らなかったか、誰か自分に不満のある理由を持つ者はいないかと。このようにして、私は自己認識を行い、自分の改善する必要のあるものは何か.これを確かめるのに成功した。毎晩こうして、その日のすべての行為を思い、良い事をしたのか悪い事をしたのか自問し、神や守護霊に導いて下さるように祈る者は、自己改善のための大きな力を得ることが出来る。と申すのは、神が彼を助け給うからである。これらの質問を自分にしてみるがよい。自分がした事を自分で調べなさい、どんなつもりでそれをしたのか、とくと自分に尋ねなさい。何かを人のせいにしなかったか、公言して恥じるような事をしなかったか。また、次のように自分に問いかけるがよい、<もし、いまこの瞬間、神が私を来世に呼び戻したいと望まれたら、何も隠しだて出来ない霊の世界に戻るにあたって、私は誰かの目を恐れねばならないことはないだろうか>と。自分のした事を、先ず神に対して、次に隣人に対して、最後に自分自身に対して、どうであるかを審査してみよ。これらの質問の答えが、自分の良心に休息を与えるか、あるいは、何か精神的な痛みを示すか、いずれかであろう。この痛みが貴方の治さねばならないものである」 やはり、このような真剣な自己認識を毎日続けることによって、私たちは自らを成長させ、進化させていくのであろう。覚醒や霊的な進化に、魔法のような近道はない。こうした日々の地味な努力こそが大切なのだと、あらためて認識させられる。 スポンサーサイト
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