心の治癒と魂の覚醒

        

 雑念にどう対処するか 2

 雑念というものは、それが出たとき、いつのまにか雑念のことを考えてしまうわけです。たとえば、瞑想中に、「今晩のおかずは何にしようかな?」という雑念が出たとします。それだけなら純粋な雑念なのですが、その後でこう考えてしまうのです。「う~ん、そうだな。昨日はカレーだったから、今晩はスキヤキでもしようかな。待てよ、魚がまだ冷蔵庫に残っていたから、魚料理にした方がいいかな……」といった感じです。そうして、いつのまにか余計なことを考えていたことに気づき、「ああ、また雑念が湧いてしまった!」と悔しがるわけです。
 最初の「今晩のおかずは何にしようかな?」という雑念が出てくるのは、仕方がないと思います。問題は、その後の思考です。この思考さえしなければ、雑念は常にさらりさらりと受け流すことができるようになるはずです。
 では、そのためには、どうしたらいいでしょうか?
 ひとつの工夫としては、「瞬間に注意を向ける」という方法があります。空間的な集中ではなく、時間的な、それも非常に短い時間に意識を集中するのです。
 時間というものは、どこまで細分化できるのかはわかりませんが、インドの哲学では、「もうこれ以上は時間を細かくすることはできない」という、最小の時間というものが考えられています。いわば時間の分子ですが、それは「刹那(せつな)」と呼ばれています。
 瞑想のときも、この刹那の瞬間に意識を向けるようにするのです。
 ひとつたとえを使って説明いたしますと、映画は一秒間に36コマの静止画像によって作られています。つまり、映画は実際には動いているのではなく、少しずつ違う静止画像を連続して投影して、動いているように見せかけているにすぎません。なぜ動いて見えるかというと、私たちの意識が、36分の1秒前の画像を記憶しているからです。
 しかし、ここに、36分の1秒たつと、覚えたことを完全に忘れてしまう人がいたとします。この人は、映画を見ても、動いているようには見えません。何枚もの静止画像を見せられたとしか認識できないでしょう。しかも、結局、どんな静止画像を見たかも、最終的には思い出せないわけです。
 同じように、私たちも瞑想しているとき、36分の1秒の間だけ(この時間はひとつの例ですが)に意識を向け、36分の1秒過去のことは、忘れるようにするのです。換言すれば、常に新しい瞬間だけに意識を集中するわけです。刹那に意識を向けるわけです。
 すると、たとえ雑念が湧いてきても、その雑念が意識に滞留する時間は、わずか36分の1秒だけということになり、雑念を追いかけて思考するゆとりなどはありません。したがって、雑念は雑念だけに終わることになります。
 この、もっとも新しい「今」の瞬間だけに意識を向け、過去のことは、たとえそれが千分の一秒前のことであっても、完璧に忘れるというように意識を訓練していくと、雑念を消していくうえで、驚くほど効果がある場合があります。
 ぜひ、試してみて下さい。
スポンサーサイト

修行法 | コメント:5 | トラックバック:0 |
<< 雑念にどう対処するか 3 | ホーム |  雑念にどう対処するか 1>>

コメント

こんにちは、斎藤さん。
なるほど。雑念がコマ送りされることなく、一瞬一瞬で途切れてしまうわけですね。

私は瞑想中によく雑曲が流れます。最近きいた音楽が頭の中でエンドレスリピートされるアレです。その雑曲でさえも、思い浮かんだ一小節あたりでストップをかけられれば瞑想に集中できるわけですか。

早速試してみます。ありがとうございました。
2010-09-15 Wed 16:57 | URL | ワタナベ [ 編集 ]
斉藤啓一です。コメント、ありがとうございます。
瞑想中に曲が流れるというのは、けっこうよくありますね。もし、しつこくその曲が流れてくるようなら、逆にそのことを利用して、その曲に意識を集中するという手もあります。
マントラなど、ある意味ではそれを応用しているといえるかもしれません。
2010-09-16 Thu 17:34 | URL | [ 編集 ]
はじめまして 斉藤先生。

雑念に対しての考え方として、ティモシー ガルウェイのインナーゲームシリーズはいかがでしょうか?

私自身は自分の意識をセルフ1とセルフ2というふうに分ける考え方は結構いいのではと思っています。

そして自分の体の動きを客観的に観察する視点はクリシュナムルティのいう自己観察を理解するための良いヒントになったと思っています。

このブログを最近知って大変楽しみにしております。

それでは。
2010-09-17 Fri 19:42 | URL | ニャン・クン [ 編集 ]
こんばんは、斉藤先生。

雑念への対処法ですね。
瞑想を習う時の、「マントラ」をひたすら唱える
というのは、そういう効果をもたらすのですね。

時間の分子単位「刹那」・・・分かるかな・・・
解りました。
今晩は、「刹那」に意識を向けて瞑想したいと思います。
有難うございました☆
2010-09-17 Fri 23:43 | URL | クニハラ [ 編集 ]
斉藤啓一です。以上、お二人の方、コメントをいただきまして、どうもありがとうございます。
雑念については、やはり瞑想を志す人に共通する悩みであり、いろいろな方法や対処法が出ているようですね。
いろいろと勉強しなければならないことが多いと実感いたしました。
また、人によって、自分に合った方法もあれば、合わない方法もあるのかもしれません。
いずれにしろ、師匠なく道を歩む者にとっては、とにかく試行錯誤を繰り返して進んでいくより他にありません。
負けずに、歩んでいきましょう。
2010-09-18 Sat 18:42 | URL | [ 編集 ]

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

| ホーム |